レフィック・アナドル展「潜在する歴史」

HAPPENINGText: Victor Moreno

ピクセルはコンピューター画面に映し出される画像の最小単位である。現代写真を用いたデータセットを使ってトレーニングされた機械学習アルゴリズムは、テクノロジーと写真の境界を拡散させながら芸術写真の領域を開発している。

ロサンゼルスを拠点とするデータ/メディアアーティストのレフィック・アナドル(1985年、トルコ・イスタンブール生まれ)は、アルゴリズムと機械知能の反応をそれぞれのピクセルに通して拡張現実で実験を行ってきた。合成設定と遠心分離機で洗濯をするように、アナドルはストックホルムの写真アーカイブと実験をデジタル方式で作り替え、その結果をストックホルムのフォトグラフィスカで展示「レイテント・ヒストリー」(潜在する歴史)を7月6日から8月25日にかけて行なった。


© Refik Anadol

『フォトグラフィスカのビジョンはより意識的な世界をもたらすこと。写真の世界では、コミュニケーションとアートの二つの方法で、今までよりもより早く変化と成長を続けています。私たちはレフィック・アナドルと彼の写真やアート、テクノロジーへの魅力的で実験的なアプローチを追ってきており、拡張現実過程での写真媒体に対するアナドルの前衛的な取り組みは、技術的および芸術的な可能なことの最前線にあり、未来への窓である』とフォトグラフィスカの展示共同ディレクターであるヨハン・ビクナーは説明している。


© Refik Anadol

レフィック・アナドルは現在ロサンゼルス在住で、そこで自身のスタジオを運営し、UCLAのデザイン・メディア・アーツ学部で研究者/講師として働いている。彼のオーディオビジュアル作品とパフォーマンスはマイクロソフト・リサーチのベスト・ビジョン・アワードやアート・マシーン・インテリジェンス・アーティスト・レジデンシー・アワードの受賞や、ウォルト・ディズニー・コンサートホール(アメリカ)、国際デジタル・アーツ・ビエンナーレ・モントリオール(カナダ)、アルス・エレクトロニカ・フェスティバル(オーストリア)、バルセロナ凱旋門(スペイン)、シドニー・シティ・アート(オーストラリア)、リヒテンルート(ドイツ)など、世界各地の魅力的な場所で披露されている。

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