ロヴィーサ・リングボリ 「ミラージュ」展

HAPPENINGText: Victor Moreno

スウェーデンの写真家、彫刻家、映像作家のロヴィーサ・リングボリ(1979年生まれ)が、ストックホルムのフォトグラフィスカで初の個展「ミラージュ」を開催。過去10年間の作品と、新しい彫刻のインスタレーション「ストレイ・ドッグス」が展示されている。神秘的な雰囲気、夢見るような色合い、詩的なストーリー、抽象的で対称的なイメージ、平行した意識状態などが、彼女が描きたい方法で表現されている。


The Mirage © Lovisa Ringborg

夢がどのようにして、周りの環境や自分の体を見たり経験したりする新しい方法を生み出すかが、本展のテーマだ。普段の彼女の主な作品は写真だが、今回の展覧会では、彫刻や映像作品の芸術的手法を加え、光、ボリューム、現実と夢の衝突、自然の力、知覚などを探求している。彼女は、名門ヨーテボリ大学で写真を学び、2019年スウェーデンのブックアート賞を受賞した経歴がある。

フォトグラフィスカの地下では、ロヴィーサがこの展覧会を準備する数日の間に記録された映像が上映されている。例えば、鏡像のような対称的なパターンは、ある人と別の人では同じようには見えない。人はさまざまなものを見ているが、ロヴィーサは芸術の知覚について探求している。展覧会では、彼女の映像に仲間のヨナ・フルテンが制作した音を加えた作品も上映されている。


Stray Dog, Lovisa Ringborg, Photo: Victor Moreno

彫刻作品「ストレイ・ドッグス」は、神話的な雰囲気を持つ動物のいくつかの作品で、部屋の中で不穏な存在感を醸し出しながら、観察者としても機能している。ロヴィーサは、生と死を成立させるこの懐疑的にも見える犬たちを、人間の伴侶として飼育された動物、また忠実さや仲間の象徴として、人間と結びつけるために用いている。しかし、このような考えは、彼らが怖いという事実によって、脆弱で恐ろしいものに変わる。ここでは、犬は人間の野生的な面と家庭的な面の両方を象徴している。

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