ミラノ・デザイン・ウィーク 2017

HAPPENINGText: Tomohiro Okada

熱狂的な楽しさに対して、美しさ、誠実さのブランドデザインを、素晴らしい空間において展開したのは「Airbnb」。レオナルド・ダ・ヴィンチが「最後の晩餐」を描いていた際に住んでいたとされる、15世紀に建てられたアパートメントという、歴史の趣に研ぎ澄まされた最高の居場所に、全世界からキュレーティングされた若手クラフト作家による作品が置かれ、手仕事によるデザインの楽園が生み出されていた。

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Photo: Tomohiro Okada

同社の創業者は、米国ロードアイランド・デザイン大学の仲間たち。成功を背景に後進に続くデザインの若い才能に最高の場所を提供することにより、自社のクリエイティブで快適な滞在体験の提供というブランドを重ね合わせようとしている。多くの展示作品にも、彼ら自身が応援のために得たコレクションがある。また、デザイン・マイアミのエグゼクティブ・ディレクターであるロッドマン・パトリックほか、これらの才能を紹介したキュレーターや専門家による、この空間に映える作品を持ち寄ったコレクションも展示、15世紀から人々をうっとりさせてきた、住む過ごす空間にとっての最高のデザインを同年代で共演する濃厚な場がそこにあった。

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Photo: Takumi Ota © nendo

デザインという体験を求めにデザイナー自身による展示に対して、最後には何時間も待つ行列をもって迎えられたのが、東京で活躍する「ネンド」。これまでも、自らの手で同ウィークにおいて作品を魅せることを通じて、世界の注目を集めてきた彼らが今回送り出したのは、輪郭を組み合わせることによって生み出す、空間に新たなアクセントを添えるプロダクトとインスタレーション群。部材をトレースすることによりさまざまな表情や機能をみせるファニチャーには、そのトレースを腑に落ちるようにみせてくれるアニメーションやさまざまな模型。

極薄の素材による花瓶は、水中に沈められて置かれ、まるでくらげのように心地よい揺らぎで透けた植生とともに水がまるで空気の存在であるかのような新しい視覚を与えてくれる。常にミラノで彼らの個性を、多様なアプローチでみせてくれるプレゼンテーションは、今年、世界の専門家だけでなく、地元の人々にとってのハイライトになるような、より一層の存在感を魅せてくれた。

見本市の範疇を超えた、ミラノ・デザイン・ウィークは、企業やデザイナーにとっての「自分のデザインを見せたい」という欲求を吐露するだけでは、評価されないステージを迎え始めている。クリエイティブの世紀、デザインを楽しむことが、特別な人々の楽しみではなく、皆の楽しみになった今、その感性の「ひだ」に合ったプレゼンテーションが、世界にブランドと共に拡散される現場になったのだ。

ミラノ・デザイン・ウィーク 2017
会期:2017年4月4日〜9日
会場:フィエラミラノ(本会場)、他ミラノ市内
http://www.salonemilano.it

Text: Tomohiro Okada

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