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澁木智宏

PEOPLEText: Ayumi Yakura

2016年の「ヒア・イズ・ジン・トーキョー 12」入選作品について教えてください。

shell」(シェル)と「(in)」(イン)の写真作品をまとめたジン(自主制作の作品集)を発表しました。この2作品は連作で制作した作品です。

この白い物体は、人の思念のようなものを表現しています。人はプラス、マイナスの感情含めあらゆる感情や思いの中で生きています。最初は小さかったものでもそれがどんどん大きくなり、自分で制御できないこだわりになったりもします。そしていつしかそれらは自身を覆い隠して一人でに動き出す。そのようなイメージは作品自体だけでなく、現実の世界において写真に収め、一枚の画としても見せることでより伝わると思い制作しました。


「shell」2015年, 750 x 700 x 800 mm, ウール100%, Photo: Ayaka Horiuchi

「shell」はストーリーを想像できるような様々なビジュアルが展開されています。11月26日と27日に開催される アートフェア札幌2016には実物と写真を同時出品されるそうですね。

「shell」は、作品をどのような形で鑑賞者に見せるかを考えた結果、様々な写真を撮るに至りました。作品が人の目に入る状態は実物ではなく画像が圧倒的に多いと思います。作品自体をより魅力的に、作品の意図を伝えるアプローチの一つとしてこのような展開をしました。

澁木智宏
「kumo-shelf」2012年, 1,000 x 600 x 1,300 mm, ウール100%

kumo-shelf」(クモ・シェルフ)はデフォルメされた雲形の壁掛けの棚です。私の作品は、実用を兼ねたものも多数ありますが、これはその一つです。鑑賞することだけが、作品との関わり方ではありません。自分の気に入っているものを上に飾ってみたり、自分の世界にぐっと引き寄せてみるのも面白いと思います。

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「freely」2014年, 1,000 x 500 x 500 mm, ウール100%, 新宿クリエイターズフェスタ2014, 新宿野村ビル エントランス

クロスホテル札幌で開催されている北海道作家作品展「2020 – 来るべき者達」では、2014年に発表された「freely」(フリーリー)と「be」(ビー)を出品されています。子どもたちの造形作品を作られたのはなぜですか?

制作当時、子供達と触れ合う機会がありました。彼らの自由奔放で好奇心の赴くまま動く様を見て、触発されてできたのがこれらの作品です。5〜7歳くらいの子供たちをモチーフとしていますが、その時期というのは自分の周りの世界をフラットに見ているというか、素直に向き合っているように見えました。長い人生のほんの数年ですが、誰しもが経験するマジックアワーのようで、そんなおぼろげな感覚はウールという素材とぴったりくるのではと思い作品制作しました。

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