澁木智宏

PEOPLEText: Ayumi Yakura

テキスタイルのデザインワークと、ウールを中心としたアートワークを往復しながら、東京を拠点に国内外で活動する澁木智宏。彼の作品は、他者との関わりの中で『作品をどのように見せるか』という視点を重視しながら、どこにでもあるような石や雲などのモチーフを細密な手仕事で表現しては、誰も知らない物語の一場面へ人の心を誘う。

近年は東京、京都、台北、香港、パリなどで展示を行い、2016年11月下旬に出身地の北海道で アートフェア札幌2016 クラークギャラリー+SHIFT から初出品、そして2017年1月には同ギャラリーでの個展開催を控えたタイミングで、これまでの表現についてお話を伺った。

枯山水 澁木智宏 TOMOHIROSHIBUKI

まずはじめに、自己紹介をお願いします。

ウールを用いた作品制作を主に行うアーティスト、またフリーランスのテキスタイルデザイナーとして活動しています。

2012年に卒業された武蔵野美術大学ではどのようなことを勉強されていたのですか?

テキスタイルを学びたくて美大に入学したので、基本的にテキスタイル全般の勉強をしていました。今現在も続くウールを用いたアートワークは大学時代に始まりました。

テキスタイルデザインと平行してアートワークを行っているのはなぜですか?

テキスタイルデザインの活動は衣服やインテリアとジャンルは様々ですが、素材との対話やパターンデザインはアート活動と同様に自身を表現できる場であると思っています。デザインワークは多くの人と一緒になって動かす外へ向けての活動、それとは逆に、アートワークは自分自身を見つめる内に向けての活動が中心です。デザイン脳とアート脳を行ったり来たりすることは、どちらの表現にも良い影響を与え合っていて、良いバランスをとることができているなと思います。

澁木智宏
「blue」2014年, 1,400 x 2,000 mm, 紙, Photo: Ayaka Horiuchi

2014年には紙を素材とした作品も発表されていますね。澁木さんの作品を写真で見ると、その見せ方にも澁木さんらしさを感じます。

作品を作る際、視覚的に感動があるか、驚きはあるかというのは大きな指針になっています。作品を作り、それをどのように見せるかというのも実作品と同じくらい大事なことと思っています。「blue」(ブルー)は世界中の海にまつわる写真を組み合わせて一枚の海の画にした作品です。それを現実の水平線と重ねるのが最終的なビジョンでした。最初の段階でこの構想があり、この状態が完成形と考えています。

澁木智宏
「(in)」2014年, 700 x 700 x 700 mm, ウール100%, Photo: Ayaka Horiuchi

澁木さんにとってウールとはどのような素材ですか?

ウールを主に使っている理由はいくつかあります。触感の魅力があること。人にとってとても身近な素材であるということ。また、天然素材であること。残ったウールは作品の芯材に利用したりと、無駄が出ない素材であるというのも気に入っています。それゆえ、作品制作においてウールを捨てるということはほとんどありません。

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