スートラ

HAPPENINGText: Kengo Michizoe

振付家 シディ・ラルビ・シェルカウイが少林拳に新たな美学を吹き込む。

世界で唯一認定される本家嵩山(すうざん)少林寺の鍛え抜かれた武僧19名と、シルク・ドゥ・ソレイユの「マイケル・ジャクソン・ワン」や、オペラ座バレエ団の「ボレロ」、ドリス・ヴァン・ノッテンとの共作「アポクリフ」、森山未來出演作品「テヅカ」「プルートゥ」の演出・振付を手がけるシディ・ラルビ・シェルカウイによる「sutra(スートラ)」の初来日公演が東京・渋谷のBunkamura オーチャードホールで10月1日・2日に開催された。

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Photo by Yuriko Takagi

ダンス界で今最も注目を浴びるシディ・ラルビ・シェルカウイが、実際に少林寺に2か月もの間滞在し、現在も厳しい戒律に沿って修行を続ける現役の武僧たちとともに、国や文化の違いを超えて創り上げたパフォーマンスである。

ステージ上で変化し続ける驚愕の舞台セットは、現代美術界で最も権威ある賞のひとつ、英ターナー賞受賞作家アントニー・ゴームリーが手掛けた。

今回の東京公演では、海外ツアー版では代役のダンサーが務めていた主役を、シディ・ラルビ・シェルカウイが務め、自ら主演ダンサーとして踊る特別版となっている。
10月5日(水)・8日(土)スートラ公演に出演予定のシディ・ラルビ・シェルカウイ氏は、負傷により出演が不可能となり、名古屋、北九州公演は海外版主演ダンサーのアリ・タベ氏が主演を務めます
 
 
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Photo: Yuriko Takagi

舞台は、照明に照らされたシェルカウイと少年武僧から始まる。二人の後方には人が立ったまま入れるくらいの複数の箱が並べて伏せてあった。同じくシェルカウイと少年武僧との間にも同じ形状だが小さな箱が並べて伏せられている。

シェルカウイが並べられた箱の上で手をくねくねと動かすと、後方の箱の上に立つ一人の武僧がその手の動きに連動して演舞を始めた。

まるでシェルカウイが操るマリオネットのように。舞台に会話は一切ない。抽象的な表現が多く、見る者にその行為の解釈は委ねられ、想像力を掻き立てられるような場面が数多く散りばめられている。

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Photo: Yuriko Takagi

しばらくするとアンサンブルによる躍動感あふれる演奏とともに、それまで武僧の足場となっていた箱の中から複数の武僧たちが現れ大迫力の群舞がはじまった。自らの功夫を完璧なものにすることを生涯の目標とし、日々精神と肉体の修練を積む彼らが繰り広げるパフォーマンスは圧巻である。

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