デザイン・フィルム・フェスティバル・シンガポール 2016

HAPPENINGText: Alicia Tan

デザイン、アート、カルチャーのための、シンガポールの独創的な映画祭が、丘の上に隠れた講堂で控えめに始まってから久しい。今回6年目を迎えた「デザイン・フィルム・フェスティバル」は、2015年の9,800人強を大きく上回る、11,600人という動員数を記録した。

Photo3_dffsg16capitol3.9-84ca
© A Design Film Festival

また、象徴的なキャピトル・シアターで週末のオープニングを迎えるのも2年目で、大理石の待合室を地元の人気アイスクリームショップ「クリーマー」やコーヒーショップ「パパ・パルヘタ」のポップアップショップが飾った。

Photo1_dffsgshaw01
© A Design Film Festival

映画祭は、9月3日から11日の2週間にかけて開催され、今年は130以上の応募作品の中から厳選され最終選考に残った、アジアで5作品、東南アジアで2作品、そしてシンガポールで1作品の計8作品のプレミア上映を行った。

Photo2_dffsg16capitol3.9-48ca
© A Design Film Festival

映画は、シンガポールや世界の今のデザイン精神をいかにうまく反映しているかに基づいて選ばれ、ファッションデザインからファインアート、ビジュアル系サブカルチャーをテーマとした作品までも網羅していた。今年の選出作品は、適切で時宜を得ていて、何よりも楽しく、インスピレーションを与えるものであった。

Yohji-Yamamoto-Dressmaker_05
Yohji Yamamoto “Dressmaker” © A Design Film Festival

去年までの映画祭は、美しいデザイン界の紹介や、裏舞台を追ったドキュメンタリーを主題とするものが多かったが、今年のラインアップは進化したと考えられる。それはクリエイティブな人々への頌歌(しょうか)と、妥協を知らないより良いものへの追求である。

The-First-Monday-in-May_02
“The First Monday in May” © A Design Film Festival

映画祭はもはや単に鑑賞者を教育するだけではない。もっとそれ以上の何かである。映画を通して、平凡な毎日を生きる人々に、クリエイターやクリエイティブな人生へと誘う。映画に登場する語り手や登場人物の作品に対する熱意は、観る者を強く引きつけ、感情移入を容易にし、たとえそれが一瞬であっても、映画は、観る者をデザイナー、キュレーター、画家やミュージシャンへの媒介となる。

The-Happy-Film_01
“The Happy Film” © A Design Film Festival

これこそが本映画祭全体に共鳴する精神であり、映画祭のステートメントにも表われている。デザインやアートは過剰さや無秩序がつきのものだが、それらを削り取ることで創造性の本質を明らかにしている。特にセバスチャン・ラング監督のオープニング映像は、映画作品の魅力を最大限に輝かせており、この哲学を象徴している。

Original-Copy_03
“Original Copy” © A Design Film Festival

映画祭は終了したが、東南アジアのデザイン映画ファンは、ビデオ・オン・デマンドで今年の作品をまだ観ることができる。「原本」(原題:Original Copy)、「ヨウジヤマモト | ドレスメイカー」、「沈黙の追求」(原題:In Pursuit of Silence)の3作品がオンラインで購入またはレンタル可能だ。詳細はウェブサイトでご確認を。さらに、シンガポール航空を利用する方は、機上サービス「クリスワールド」で、2016年のラインナップを楽しむことができる。

A Design Film Festival Singapore 2016

会期:2016年9月3日~11日
会場:Shaw Theatres Lido
住所:5/6 F Shaw House, 350 Orchard Road, Singapore
TEL:+65 6440 7330

http://www.designfilmfestival.com

Text: Alicia Tan
Translation: Yoshie Irie

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
フェルナンド・トロッカ
MoMA STORE