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クロエ・グリフィン「エッジワイズ クッキー・ミューラーの写真」

THINGSText: Victor Moreno

ベルリンを拠点に活動する女優そして作家であるクロエ・グリフィンが、アメリカのカルト界のミューズ、クッキー・ミューラーへ愛と尊敬、称賛を込めて制作した写真集「エッジワイズ クッキー・ミューラーの写真」は、彼女の生活から切り取った記事や日記、メモの抜粋の他、彼女をよく知り、愛した友人達の心の込もったインタビューも収録した手の込んだ作品だ。ジョン・ウォーターズ、リチャード・ヘルエイモス・ポーロバート・メイプルソープや他の多くの人物と共に、ニューヨークでの国際色豊かな70年代、80年代を生きた彼女のアーティストブックとして、リアルな裏話を掘り下げた素晴らしいトゥルー・ストーリーを収めている。

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Cover of Edgewise: A Picture of Cookie Mueller

メリーランド州ボルティモア生まれのタフで多才なミューラーは、運命の気まぐれでドリームランダー(ジョン・ウォーターズのギャング映画の常連キャストたち)の一員となった。その後、ミューラーは新しいカルチャーウェーブを起こすべく、多くの才能を持った人物たちと交流しにニューヨークへ渡る。

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Klaus Nomi & Cookie, NYC, 1981 (Anthony Scibelli)

彼女は面白いことをやってのける人たちの中でも、とりわけ人生の華やかな瞬間を生み出すことに長けており、誰もが彼女の遺した物に敬意を払うに違いない。ジョン・ウォーターズの作品以外でもミューラーは80年代のニューヨークのリアルと美しさを見せる作品に次々と登場した。 注目すべき主な作品は「ダウンタウン81」(1981)と「バラエティ」(1984)。

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Mark Baker & Cookie, NYC, 1974 (George Fitzgerald)

クロエ・グリフィンの8年もの時間をかけた真摯なアプローチが、今回のプロジェクトを成功へと導いた。この本の制作の始まりは、シャロン・ニエスブとのプロヴィンスタウンでの出会いだ。シャロンは、ミューラーの息子であるマックス・ミューラーを彼女に紹介してくれたミューラーの古くからの友人でありファンでもあった人物。ここから、この時代にエイズで命を落とした他の多くのアーティストたち同様、ミューラーが1989年にこの世を去るまでの物語が展開されていく。ミューラーに敬意を表したグリフィンにぜひ感謝したい。

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