「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」展

HAPPENINGText: Namie Kuwada

この夏、大阪の国立国際美術館では日本の現代美術作家10組による「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」展を開催。「ノスタルジー(郷愁)」と「ファンタジー(幻想)」をキーワードに個々の空間で各作家が作品を展示している。

出品作家は、横尾忠則、北辻良央、柄澤齊、棚田康司、淀川テクニック、須藤由希子、山本桂輔、小西紀行、小橋陽介、橋爪彩。

noriyuki_konishi_20078.png
小西紀行《無題》2007 年 齊藤洋久氏蔵, courtesy of ARATANIURANO 撮影:木奥惠三(※画像無断転載禁止)

それぞれの作家が今回のテーマを含んだ作品を展示しているが、特に印象に残った作家は小西紀行と須藤由希子。両作家共に、今回の展覧会のキーワードに作品がピタリと合致している事もあり、強く心に残る。

小西紀行の作品は、誰もが記憶にある家族とのスナップ写真をボンヤリと思い出した様な、自分の記憶であって自分の記憶ではないような、懐かしさと曖昧さと不安を併せ持った様な不思議な感情を思い起こさせる。どれだけの人の記憶に共通して残っているイメージが描かれているのだろうかと考えさせられる。

yukiko_sudo_2008.png
須藤由希子《鉢植えと家-月島》2008 年 ギャラリーイヴ蔵, courtesy of Take Ninagawa(※画像無断転載禁止)

そして須藤由希子の作品は、今も路地裏に入れば見かける様な風景が鉛筆で丹念に描かれている。そこには植物を中心としての家や団地など、誰もが見かける日常の風景が切り取られている。作品の中の建物のパースは独特である。この須藤独特のパースが余計に作品を際立たせており、単なる風景画とは一線を画している。また植物に関しても、雑草を始めとするごくありふれた草木が、手前の葉も遠くの葉も一枚一枚が同じ筆圧で描かれており、日常で自分が見落としている小さな幸せが作品の中で丁寧に紡がれている様である。

keisuke_yamamoto_2012.png
山本桂輔《貝》2012年 作家蔵, courtesy of Tomio Koyama Gallery(※画像無断転載禁止)

他にも日本の古道具を使った作品を含め、絵画と彫刻作品を展示する山本桂輔など、個性的な10組の見応えのある展覧会となっている。

「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」展
会期:2014年5月27日(火)~9月15日(月)
時間:10:00~17:00(金曜19:00まで/入場は閉館の30分前まで)
休館:月曜日(ただし9月15日は開館)
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
TEL:06-6447-4680
http://www.nmao.go.jp

Text: Namie Kuwada

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
クォン・オサン
MoMA STORE