OWTN.

PEOPLEText: Aya Shomura

owtn音楽 × 現代詩 = ポエムコア? 

女性初のポエムコアの第一人者であり、「宇宙初のポエムコアアイドル」として海外からも注目を集めているowtn.(おわたん)。ネットレーベル「POEMCORE TOKYO」から昨年2013年夏にデビューしたばかりとは思えないその存在感、音、リーディングのセンスは必聴。「そもそもポエムコアとは?」「音楽 × 現代詩?」読者も気になるであろう様々な疑問を、owtn.にぶつけてみた。

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Photo: Yuto Takoshima (H△NöN)

まずはowtn.の名前の由来を教えて下さい。

以前、アイドルカフェでバイトをしていて、そこでのニックネームが「おわたん」だったんです。インターネットでよく見かける「人生オワタ」の顔文字から由来してます。なので、自分が音楽活動を始める時も頭のどこかに「おわたん」があって、そこに記号的な見た目と、ネットカルチャーっぽさがほしくて「owtn.」にしました。まさかこんなに定着すると思わなかったのですが、実はかなり適当につけました。

なるほど、納得の由来ですね。ポエムコアは2009年頃からSNSで男性を中心に広まったジャンルで、自作の詩を音楽に乗せて朗読するというポエトリーリーディングのことですが、ポエムコアに興味をもったきっかけは何でしたか?

もともと詩は書いていたんです。小学生の頃とか、すごく子供のころから。私がポエムコアを知ったのは2013年の夏で、この時すでに今回収録した『Let me be with you』(現『Jerryfish』)を作った後だったので「自分がやっていることは、このポエムコアに限りなく近いな」と感じました。

ちなみに「1)ナイフのような自意識、2)闇、3)すけべ心」というポエムコア3か条というものがあると聞きました。意識して詩作をしますか?

特に意識したことはないです。作品の内容云々より「自分の書きたいものを書く」という行為そのものが3か条であり、ポエムコアであると思っています。なので、知る前も知った後も特に変わらないです。他のポエムコアのアーティストも、もうポエムコアをしている時点でこの3か条を満たしていることになるかと思います。

owtn.の詩の世界観を教えて下さい。

世界観……う~ん……恋愛の詩が多いように思われていますが、割とそうでもないです。友達と遊んだこととか、映画とか音楽とか、いい作品や風景に触れて思ったこととかも、ちょっと思わせぶりに書いてます(笑)。シチュエーションに関しての体験談はほぼゼロで、ほとんどが空想です。ただ「こういう時、もし自分ならどう感じるか?気持ちは?感触は?温度は?」とかを、いかに生々しく書くかっていうのは意識します。

ところでどういう時に詩作を行なうのですか?

電車の中。あと、お弁当食べた後!(笑)。一つの詩を腰を据えて書くというよりは、断片的にフレーズが頭に浮かんでくるので、それをiPhoneにメモして、最終的に良さそうなのを繋げて一つの世界にしています。

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Photo: Yuto Takoshima (H△NöN)

こうしてお話を聞いていると普通の女の子という印象ですね。プライベートではどんなことをしていますか?

仲のいい友達とお買い物に行ったり、ご飯食べたりして、普通の女の子が過ごすような日々を過ごしてます。本当に普通です。
あ、すごいどうでもいいんですけど、けん玉にはまってます。なぜか家のリビングにけん玉があって、やってみたら思ったより上手くてびっくりしました!(笑)。調べてみたらいろんな技があって、「胡蝶の舞」っていう中二病っぽい名前の技もあるんですよ。今はそれを完成させたいです。他にも1990年代の古いCMの動画をひたすら見るとか、元素記号を覚えるとか(特に111番目のレントゲニウム以降)、ピンポイントでマニアックなことばっかりしてます。

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