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EA(エア)

PEOPLEText: Setsuko Hori

マイカ・ルブテとシンヤ・サイトウによるデュオ、EA(エア)。2人のアーティストは、まるで実験ラボにこもって、ありとあらゆる場所と時間の中からサウンドをキャッチしてるかのよう。その集めたサウンドを組み合わせて、内面から発する音、詩や声を織り交ぜていき、ランダムに撮った沢山の写真から物語をつなぎ合わせて一つの写真集をつくるかのように、エアの音楽ができていく。マイカ・ルブテのソロ活動をきっかけに、サウンドプロデューサーがマイカからシンヤへと手渡された今、エアの中で大きな変革が起こっている。

ポップミュージックのもつ意味合いも今日の日本で危うい気がするのは気のせいだろうか?本来ポップミュージックの強力なコモンセンスを巧みに持ち合わせ、ブルックリンのミュージックシーンに見られるような実験的なオルタナティブロックの空気を放ちながらも、温故知新の欧米音楽に憧れそれを反射させわたしたちを夢中にさせたレジェンドに値する偉大な日本のミュージシャンたち。彼らがそうであったように、日本をはじめ様々なカルチャーの影響を自分たちなりに吸収し、エアはオリジナルの音楽を作り上げていく。彼らの普段の様子や音楽のことなどをインタビューする機会を得ることができた。

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普段の一日について教えて下さい。

シンヤ:24時間を3(朝、昼、夜の3つ)で割ると8だから、8時に起きてまず部屋を掃除する。足で踏んだりして汚れやすい音楽の機材を掃除する用、タンスの下や隙間、一番ほこりがたまると思われる所用、普通用と掃除のはたきも3種あリ、掃除している間に洗濯もする。洗濯は白いものと黒いものを分けて洗うなどキレイ好きで、曲をつくるときもきれいにデーターを整理してしまうんだ。12時くらいから曲づくりをはじめ、疲れる迄作業をする。お腹がすくと添加物の入っていない昼食を食べ、食べたあとは古着屋に行って80sのトレーナーの柄をチェックする。稀にいい柄に出会うので、これが欠かせない日課となったんだ。そのあとは作業に戻り、これもまたお腹が空くまで続ける。白米を中心とした夕飯を食べ、気分次第なんだけど、風呂に入りたくなるまで曲を作り、眼が疲れて限界になったら寝るよ。

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どのように曲をつくっていますか?

シンヤ:コンピューターのなかで、フックになるストレンジな音をつくることからはじまる。その音に、肉付け、パートをつけていくんだ。その作業は、まるで子供のときの、レゴやプレイモビルみたいなんだ。特に、PCでつくるようになってから簡単につないだりすることができるからすごく早くできるようになった(以前はギター等で曲をつくっていたそう)。動物の鳴き声をサンプリングなどをして、即興や感覚的に作っていくんだ。

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共同でですか?

シンヤ:分担作業で。サンプリングをマイカがフィックスしていく。

コラージュのようにですか?

マイカ:シンヤさんが散らかすもの(サンプリングなど)は私には散らかせない発想の音で、そこに詩の世界を預けてくれるから自由に想像できるの。音にインスパイアされ、詩を書いているうちに方向性が見えて来たり、時には詩と同時に表れて来たりします。

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