アンディー・リメンター「アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー」

HAPPENINGText: Victor Moreno

アンディー・リメンターは アメリカの漫画家の新世代の1人である。彼のキャリアはまだ始まったばかりなのにもかかわらず、すでにザ・ニューヨークタイムスのイラストレーター、ニューヨーカーエムティービー、ワーナーを含む、豊富なバックグラウンドを持っている。実際に最近、彼はアートディレクターズクラブによるヤングガンとして賞を受賞している。さらにアンディーは、商業的な仕事に加え、アメリカの国内外で展覧会も行っている。彼は異なるジャンルの仕事、例えばペイントやデジタルアニメーション、ハンドドローイングまでをも好んで手掛けている。おまけに、彼はイタリアの北部トレビソでのファブリカというベネトンのスーパークリエイティブ本部に出席する機会を得たのだ。「アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー」は彼の最新の個展で、トライベッカでは驚く程古い、骨董家具店兼ギャラリーであるモンド・ケイン・ギャラリーにて催された。それは時代を超越したニューヨークの都市の、ストリートに関わるジャズテイストな6つの絵のシリーズから成っている。

Andy Rementer - I Wish I Knew

芸術大学で学んだことについて教えてください。また、アメリカにおけるアートの教育的な立場について教えて下さい。

芸術大学でグラフィックデザインについて学び、そこでデザインへの合理的手法に焦点を当てたスイスのプログラムを学びました。
当時はコンピュータの助けを借りずに基礎を練習することに重点をおいていました。例えば、手作業で型をセットし、筆を使って文字の形を作成する方法を学びました。この手描きの手法は私のクリエイティブな発想に大きな影響を及ぼし、手描きによるイラストの描き方をも習得しました。

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たくさん旅をすることは必要だと思いますか?

私は仕事のためだけでなく、自分の心の平穏のために頻繁に旅をする必要があると思っています。それは自分の心地よい領域を残して、新しい刺激を見つけることが重要です。私はお気に入りの2つの都市、ニューヨークやロンドンで多くの時間を費やしますが、知っておくと良いと思う場所がたくさんあります。もちろん東京はこれから行きたい都市のリストで1位です!

アメリカには、ロバート・クラム、ハーヴェイ・ペーカー、クリス・ウェアなど、リストを挙げるときりがないくらい素晴らしい漫画家やイラストレーターがいます。これらのアーティストたちから影響を受けていますか?

アンダーグラウンドの漫画はいつも私に大きなインスピレーションを与えてくれます。ロバート・クラムの作品を見たときが初めての衝撃でした。可能な限り、彼のアートすべてをすぐに吸収した後、自然とハービー・パーカーに辿り着きました。クリス・ウェアは私の中ではもう1人のヒーローです。ストーリー性があり物語調のものが好きなので、自然と私は彼のような漫画を描いていました。一方で、ダニエル・クロウズ、チャールズ・バーンズ、ジム・ウッドリング、トム・ガールド&カズも私にとってたくさんの伝説をつくってくれた人達ですね。

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あなたはトレビソのファブリカにある、ベネトンで働いた経験があったと思います。その経験について教えて下さい。

ファブリカで2年間過ごし、ビジュアルコミュニケーション部門のベネトンのクリエイティブ研究センターでの時間は、凄まじいものでした。その間、雑誌「Fab」のグラフィックデザイナーもやっていたので、自分の腕も上がりイラストのスタイルも固まりつつありました。
テクノ・チューズデイ」はその時に生まれた、個人的なプロジェクトでした。ファブリカでは私は盛んなクリエイティブコミュニティにさらされ、非常に強い印象を受けました。

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あなたは様々なクライアントと仕事をしてきたと思いますが、特に思い入れのある作品はありますか?

特定のプロジェクトを選ぶのは難しいです。私が素敵だと思えるクライアントと多く巡り会えたことがとても幸運でした。私の仕事を気に入ってくれる様々な人達と仕事ができることこそが、とても素晴らしいことだと思います。

あなたは幅広いテクニックを持っているうえ、コンピュータではなく手描きが多いと思います。是非、具体的な方法を教えて頂けますか?

全ての課題は、手描きのスケッチから始まります。もちろん、コンピュータもこの過程に関与していますが、何らかのかたちでアーティストの手が加わるように努力しています。私のオリジナルアートは完全に手描きによって組み合わされています。

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自分自身をタイポグラファーでもあると考えていますか?これまで実際に書体を作成したことなどもありますか?

文字とレタリングは私にとってどちらも重要なものです。これまで多くの書体をデザイナーとして作り出してきました。自分自身をタイポグラファーと考えたことはありませんが、タイポグラフィーの熱心な愛好家ではあります。

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今回の個展「アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー」はいかがですか?

この新シリーズ絵画にはとても自信がありますし、これまで大きな反響がありました。モンド・ケインはとても協力的で励ましてくれましたし、彼らと再び仕事ができたのは最高でした。

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このタイトルに隠された背景を教えて下さい。

「アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー」はクラシックアメリカのジャズが基盤となっています。その絵は時代を超越したニューヨークの都市が舞台であり、ジャズとの繋がりはふさわしいもののように思えます。それぞれのシーンに曖昧な部分があり、タイトルがそれらの意味を理解できるよう繋ぎ合わせる助けとなっています。

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確かこの展示会がニューヨークでの初めての個展ではないですよね?

2011年に、私はモンド・ケインでペインティングとドローイングをミックスしたものを紹介しました。展示会は数日間でしたが、多くの反響を受けました。大規模で長い期間にわたっての展示だったので非常にわくわくしました。

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ペイント作品しか展示しないのでしょうか?

今回の展示のために、6つの大きなキャンバス画のシリーズを作成しました。それぞれの絵にストーリーがあります。そして見る人が他の物に気を捉われずに、これらの小さな物語に集中することができると思っています。

すべての部分がいくつかの都市景観に関連していると思います。そのことについて教えて下さい。

私はすっかりストリートシーンや都市環境の虜となっています。都市は多くのストーリーが展開される場所ですので、無限にインスピレーションが湧き出てくる源です。はっきりと時代を特定してはいませんが、ニューヨークを描いています。

アメリカの他の都市や海外で似たような展示会をする計画はありますか?

いまのところ予定はありませんが、何処でも可能です!

2013年の予定もしく今後のプロジェクトについて教えて下さい。

2013年初めにピクトプラズマNYCでトークショーがあり、今年の良いスタートが切れそうです。今、私の個人的なアートを発展させることに注力していて、その領域に多く関心が持ってもらえることを期待しています。また、ロンドンのビッグアクティブやパリのミスターエルエージェントにも所属しているのでこれらの街にも登場することになりそうです。

アンディー・リメンター「アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー」
会期:2012年10月25日〜11月12日
時間:11:00〜18:00(土曜12:00から、日曜休廊)
会場:モンド・ケイン
住所:174 Duane St, Tribeca New York, NY 10013
TEL:212 219 9244
info@mondocane.com
http://mondocane.com

Text: Victor Moreno
Translation: Hanae Watanabe

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