パリフォト 2012

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

毎年11月にパリで開かれるパリフォトは世界最大のフォトフェアで、今年で16回目を迎えた。この月のパリは“写真月間”として、パリフォトだけではなく、パリ市内の各地でさまざまなフォトイベントや展覧会が開かれ、世界中から写真関係者が集う。

 パリフォト 2012

22カ国から128のギャラリーと23の出版社が参加し、去年を6%上回る5万4000人ほどの観客が訪れた。日本からは去年と同じくギャラリースペースにはMEM、TARO NASU、サードギャラリーAYA、出版ブースは赤々舎、bookshop Mが参加。今回はそれにタカ・イシイが加わった。

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今年一番の特徴としては、「Paris Photo seen by…」がスタートしたということ。これは毎年違った選者を立て、その人がギャラリーを越えて作品を選ぶというプロジェクト。記念すべき初回は、デビット・リンチがその選者を務めた。この試みはパリフォトが写真を売買するフォトフェアとしてだけではなく、ギャラリーを越え、現代、そして今後の写真の方向性を牽引する役目も果たしていることを、さらに印象付けた。デビット・リンチ・セレクションは1冊の本に収められ、会期が終わった後も楽しめるようになっている。

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メインの展示は「RECENT ACQUISITIONS 」と題打って、3つの機関が同じテーマでそれぞれ作品を展示した。1つ目のロサンゼルスカウンティ美術館は、とりわけ質の高いセルフポートレートの作品を集めた。2つ目はアムステルダムで最初の写真美術館であるハイス・マルセイユ。「Doubling Presence」という名前がついた展示は、同一イメージの反復と量産を用いながら、視覚的な存在感を強調するための様々な方法を提示した。

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そして最後に、スイスのヴィンタートゥール写真美術館は 「Cut&Paste」という展示で写真史や過去のマスメディアから引用しながら、1970年代以降の写真家達が使った理論や技法を扱った。

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日本の作家も存在感をアピールしていた。今回は、若手作家というよりは、すでにヨーロッパでも知名度が高い巨匠の作品が多かった印象。現在、ロンドンのテート・モダンやパリのポルカ・ギャラリーで展覧会が開かれている森山大道は、少なくても6つのギャラリーで出品されていた。同様に、杉本博司や 荒木経惟、石内都もいくかのギャラリーで見かけた。

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他には、古いモノクロ写真のコレクションも複数のギャラリーで展示されていたのが目についた。

今年も特にアメリカのコレクターとイギリスのコレクターの来場が多かったような印象を持った。それを受けてだろうか、来年の4月には初の試みとして、パリフォトがロサンゼルスで開かれる。ロスでのパリフォトがどのような結果を迎えるのか、それも気になるところだ。

パリフォト 2012
会期:2012年11月15日〜18日
会場:グランパレ
http://www.parisphoto.com

Text: Wakana Kawahito
Photos: Wakana Kawahito

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