上海コンテンポラリー・アートフェア2012

HAPPENINGText: Hiromi Nomoto

もしあなたが中国のコンテンポラリーアートに興味を持っているならば、9月の第1週目の週末に上海を訪れるべきだ。

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会場風景 Photo:SH Contemporary 2012

SH Contemporary(上海コンテンポラリー・アートフェアー 以後SHC)2012が2012年9月6日から9日まで、上海エキシビションセンターにて行われた。この4日間に、600人を越えるアートコレクターと、35000人以上の来場者が訪れた。18ヵ国から90以上の展示団体と、中国の30以上のコンテンポラリー・アートミュージアムが参加した。特別プロジェクトや公演、そして街中の主要な美術館やギャラリーを巻き込んだ活動が行われた。

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会場風景 Photo: Hiromi Nomoto

今年のSHCは、今まで知られていないギャラリーやアーティストに注目して構成された。地元上海のギャラリーも多く参加しており、主要なギャラリーの顔ぶれは同じであったが、それ以外に多くの新しい参加ギャラリーがあった。彼らの展示によって、来場者たちはより多くのアート作品、それを制作した興味深いアーティストを知ることとなった。

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さまざまな国籍のメンバーからなる団体“Rough Canvas”のスペースではパフォーマンスが行われ賑やかであった Photo:SH Contemporary 2012

体感としては、去年よりも盛況だったのは明らかだ。2011年の会場では多くのスタッフから「来場者が少な過ぎる」と言う声がいくつか聞こえていたが、今回はギャラリースタッフにインタビューをするタイミングを探さなければならない程に、それぞれのブースが人だらけだったのだ。

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画面右マッシモ・トッリジャーニ氏 Photo:SH Contemporary 2012

前回からキュレーターを務めているマッシモ・トッリジャーニ氏は今回のSHCについて『出展ギャラリーは、中国、アジア、国際的なギャラリーととても良いバランスを保っています。これはとても重要なことです。いくつか中東のギャラリーも来ています。興味深いです。これらのことは新しいアイデアをもたらしてくれます。』と語った。

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イラク出身のアーティスト、ハルム・アル・カリムの作品『Hidden Love』 Photo: Hiromi Nomoto

ドバイのギャラリーであるXVAギャラリーのミーガン・ケリー・ホスマンさんは『今回で2回目の参加です。今回のSHCの対応に満足しています。ここを訪れた人びとに中東のアーティストの作品を見て頂きたいです。』と答えてくれた。

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台湾のヤン・マオリンの『金剛愛金剛之本生伝』は漫画の様な作品で多くの人から注目されていた Photo: Hiromi Nomoto

毎年SHCに参加している台北のティナ・ケン・ギャラリーのエグゼクティブ・ディレクターのティナ・ケンさんは、なぜ毎回参加しているのかという質問に対して『私のギャラリーは台北と北京にあります。しかし上海にもクライアントやアーティストがいます。毎回参加しているのは、上海との関係を保つためです。上海の変化など、アートに対する受け入れ度の状況を観察しています。』と答えた。

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幅広く人気のあるアーティストジン・ニュの作品 Photo: Hiromi Nomoto

毎年北京から出展しているスター・ギャラリーのスタッフは、『セールス的にとてもいいです。去年も今年もとてもいい結果なので参加しています。私たちのギャラリーは北京にあります。上海はまた違ったグループだと思います。』と言った。

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シャン・ファンの作品の前ではしばらく立ち止まっている人がいた Photo: Hiromi Nomoto

「新水墨」プロジェクトでは、シャン・ファンの水墨画やペインティングが目を引いた。水墨作品の鋭いナイフの様な竹の葉からは、東洋の写意である西洋の写実が感じられた。

以前にも増してさまざまな国や、国内のギャラリーを選択されたことで、前年に比べて更に幅広いアート作品を見ることができた。しかし私個人の意見としては、去年に比べて、実験的な作品が減ったと感じた。アートフェアーとはもちろん作品のセールスが大きな目的であり、実験的要素の多い作品は売ることが難しい。来場者のほとんどが知らないような若いアーティストの作品、「この作品はどういう意味?」「意味が分からない」と通り過ぎられてしまう作品。もちろんある程度の品質と見応えが備わっている。そういった作品はアートフェアーの魅力の1つだ。この点を来年のSHCに期待したい。

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毎回違った作風で楽しませてくれるフー・シャオシャオの作品『ウッドシリーズ』 Photo: Hiromi Nomoto

さて、SHCの会期中、人びとは昼はSHCへ向かい、夜からはギャラリーや美術館のパーティーへと移動していく。私も上海各所のギャラリーや美術館のオープニングパーティーに参加してみた。それはこのような感じだ。

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アラウンド・ペース・ギャラリーでの展示風景 Photo: Hiromi Nomoto

まずAM・アート・スペースでのグループ展「Conscious Folly」に行くと、タン・ディーシン(唐狄鑫)によるパフォーマンスアート「今天一定下雨(今日は必ず雨が降る)」で、水浸しとなった会場に到着した。その後、外灘近くのアラウンド・スペース・ギャラリーへ行きジャン・シャンシ(張湘西)の個展「中国透視」の絵巻物からそのままで出て来たようなインスタレーション作品を鑑賞した。アラウンド・スペース・ギャラリーを出て、スタジオ・ルージュへ向かうと、ウェイン・ウォーレンの個展「金」のオープニング挨拶が行われていた。それから外灘3号で行われているフォン・モンボー(馮夢波)の作品展「私人博物館」のオープニング。そして北へ向かい、上海外灘美術館のパーティーでイタリア人アーティストのパオラ・ピヴィの作品を見た。そして最後に18ギャラリーのグループ展「亮点」のパーティーへ。ここは特にパーティーらしいパーティーが行われていた。

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18ギャラリーのパーティー風景 Photo: Hiromi Nomoto

今年は特に、10月1日から上海ビエンナーレが開催されている。引き続き上海アート界に注目して頂きたい。

上海コンテンポラリー・アートフェア2012
会期:2012年9月7日〜9日
時間:11:00〜18:00
会場:上海エキシビジョンセンター
住所:上海市静安区延安中路1000号
TEL:+86 21 3222 0381
http://www.shcontemporary.info

Text: Hiromi Nomoto
Photos: SH Contemporary 2012, Hiromi Nomoto

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