上海コンテンポラリー・アートフェア 2011
上海コンテンポラリー・アートフェア2011(SH Contemporary 2011)が9月8日から10日まで開催された。今回はマッシモ・トッリジャーニがキュレーターを務め、アートイベントと共に上海展覧会センターで盛大に行われた。世界中のコレクターと愛好家たちに、上海及びアジア太平洋地区のアート界が持つ無限のエネルギーと活気を感じさせることとなった。
上海コンテンポラリー・アートフェア2011 オープニングセレモニー
キュレーターのマッシモ・トリジアーニは1966年、イタリアのバーリ生まれ。ヴィジュアルアートの出版社、クリエイティブ機構でもある「ボイラー・コーポレーション」創立者の一人でディレクターだ。また、ミラノとニューヨークで「ファントム」というフォトマガジンを季刊発行している。彼は他にも、アートマガジン「ボイラー」で編集を、イタリアのライフスタイル・マガジン「ロデオ」では編集長を務めている。「ヴォーグ」「ローリングストーン誌」「パープルファッション」「ゴースタイル」等のイタリアの雑誌で、アートや音楽、ファッションについて執筆している。
キュレーター、マッシモ・トリジアーニ
今回は多くの若手アーティストたちが集まった。アートフェアは上海出身のルー・ヤン(陸揚)のスペクトラム映像作品「統治者 E」で幕を開けた。これはミュージックビデオ形式のショートフィルムで、動物・神経系統・音楽についての実験記録の作品だ。楽曲はサウンドアーティストのワン・チャンツン(王長存)と共同で制作されたもので、驚くべき視覚幻想曲とでも呼ぶような楽曲を用い、科学的実験でつくり出された人工運動「アマガエルのダンス」を展示している。
リウ・ガン(劉鋼)「紙の夢」
リウ・ガン(劉鋼)の「紙の夢」は重々しくもユーモアを合わせ持つシリーズである。今回彼が出品した3つの作品は、北京の不動産会社の広告を利用して作られている。繋ぎ合わせたりしわを付けるなどのデジタル加工を広告に施し、ビジネス成功に対する富裕層への称賛を象徴的に表現している。似せてつくられた世界各地の建築からは生産力がうかがえる。リウ・ガンの作品が人々を驚かせるのには訳がある。それは彼が実際のイメージを歪ませるなど変化させているからだ。一見しただけでは、はっきり分からないかもしれない。しかしそこで述べられている物事の知覚と象徴的意味を、彼は変化させているのだ。
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