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エルネスト・ネト展「狂気は生の一部」

HAPPENINGText: Yumino Hagiwara

『生は人間よりも大きく、人間は生の一部に過ぎない』とネトは言う。私は、精子が卵子に到達する生の瞬間の中に組み込まれていたわけだが、今まで身体よりも小さな部分だと考えてきた細胞の世界を考えると、実は宇宙ほどの大きな世界がエンドレスに存在しているようにも思えてくる。

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TorusMacroCopula, 2012, トルスマクロボールト、ポリプロピレン及びポリエステルのひも、プラスチックボール、780 x 120 x 120 cm Photo: Jérémie Souteyrat. Courtesy of Espace Louis Vuitton, Tokyo

今回の展覧会において、エルネスト・ネトはこの作品の主題の通り、(人間が中心ではない)世界を俯瞰する考え方の一つを示してくれた。それも個々の身体感覚を観賞する際の基準に置くことで、全ての鑑賞者がアイデンティティを越えて共通の土台に上がり作品とその空間とに対峙することができるものである。逆にいえば、ここでいくら私が言葉にしても、実際に身一つで作品の内側から世界を体験を見なければ全く共有できないものだということだ。

最後に一つ、作品の経時的な変化はネトの空間インスタレーションの魅力でもある。来年1月6日までの会期の中で、多くの人間が作品の中を歩き回り、滞在することで色の変化や形状が変化してしまうだろう。どこかが他の部分と比べて異常に擦り減っていたりするかもしれない。人の行為の痕跡が作品に刻まれていくことでさらに人間くさい空間に変化するのではないかと私は密かに楽しみにしている。

エルネスト・ネト展「Madness is part of Life」(狂気は生の一部)
会期:2012年9月29日~2013年1月6日
時間:12:00~20:00
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F
TEL:03-5766-1094
http://espacelouisvuittontokyo.com

Text: Yumino Hagiwara
Photos: Jérémie Souteyrat. Courtesy of Espace Louis Vuitton, Tokyo

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