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馬良(マー・リャン)

PEOPLEText: Hiromi Nomoto

現在作品制作のためのセットなどは自分で制作しているのですね。

全て自分でつくりました。例えば絵ならば自分で描くことができます。私の仕事はこれらのものをつくることです。あと衣装がありますが、私は裁縫ができないので、誰か手伝ってくれるファッションデザイナーを探さなければなりません。それからスタイリストに、どんな風にしたら格好良くなるか髪型もどうしたら面白くなるかなどを伝えます。

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マー・リャンと彼の助手が制作した小道具 撮影:Hiromi Nomoto

あなたの作品は特に物語性を強く感じます。あなたの作品には物語があるのですか?まず物語があって作品をつくるのですか?創作の際にどのように構想を練るのですか?

物語はありますよ。私自身も物語を語るのが好きなので、作品に何かを語らせたいと思っています。まず何か話したいことがあります。例えば “愛情” について作品をつくるとします。愛情の中で、私は喜び・痛み・危険…等をいくつかの言葉を取り上げたとします。5つの言葉をあげたなら、私が言いたい事を作品の画面でどのように表現するかを考え、5つの下絵を描きます。数日後それをまた見て「そう、この感じだ」と思えば撮影に入ります。

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What love is, No2 / 2009

私は自分の作品は文学であると思います。文学の方法でつくり出します。多くの場合に文学は主導的だと私は考えます。多くの作品は文学的で、文学は重要な手がかりです。まず文学の手がかりがあり、それをイメージ化し表現します。そのイメージも簡単なものではいけないと考えます。例えば広告のように単純明解なものではいけないのです。(机の上にあったチョコレートを手にとりパッケージを見せながら)広告写真は明解です。以前多くの広告を撮っていたので分かります。私はこういうものは撮りません。あまりにも簡単過ぎるのです。私は自分の方法で語ります。明解なものはつまらない。簡単なものも。

あなたは自分の作品が人の役に立つものであって欲しいそうですね。

創作し始めた頃は、自分を癒すためで自分が嬉しかったらそれでいいと信じていました。自分が喜ぶものを撮る。それは排泄と同じです。外に出たらそれでいい。これが一つ。始めた頃は多くのアーティストと同じで自分の気持ちを撮影しています。その後、誰か他の人と交流したいと思うようになりました。もし私が撮影したものを誰も見てくれず話もしてくれないのなら何の意義もありません。多く創作して行く中で感じたのは、アートは人と関わるべきだということです。

もう一つは世界の多くの血なまぐさい酷い出来事を指摘する事、それから良いものを与えるという事、世界には面白い可能性があるという事を知らせること。それでこの仕事の方向に徐々に傾いて行きました。人々に喜びや幸福感をもたらします。創作の過程では表面的にも美しさがあり、素晴らしい童話か寓話のようでありたいと私は願います。

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