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アーク・ノヴァ 東日本への贈りもの

HAPPENINGText: Yuko Miyakoshi

2011年8月9日、スイス・ルツェルン KKLコンサートホールにて、世界的な音楽祭「ルツェルン・フェスティバル」と音楽事務所「KAJIMOTO」による文化復興プロジェクト「ARK NOVA」(アーク・ノヴァ)の概要発表が行われた。当日はクラウディオ・アバド指揮によるルツェルン祝祭管弦楽団の演奏があり、東京でもその模様がライブビューイングイベントで中継された。

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© ARK NOVA 2011

プロジェクトの目的は東日本の被災地を訪れ、移動式テントでコンサートを開き、被災地の方々に音楽を通して希望を届けること。主催者の一人であり、ルツェルン・フェスティバルの芸術総監督であるミヒャエル・ヘフリガーは「3月11日に起こった恐ろしい出来事は、私たち全員に強い影響を与えました。私たちがひどい痛みや苦しみ全てを取り除くことはできません。しかし私たちは、音楽とアートを通じて被災者の方々に新たな希望をお届けしたいのです」とその想いを語る。

プロジェクトの発端は、震災後すぐにヘフリガーがKAJIMOTO代表の梶本眞秀にかけた一本の電話から始まる。その時に二人の話の中から可動式コンサートというアイディアが生まれ、梶本が日本を代表する建築家である磯崎新に会場について相談をし、さらに磯崎が古くからの友人である彫刻家のアニッシュ・カプーアに協力を求め、カプーア氏もその依頼に二つ返事で応えたことから、素晴らしいチームが編成されることとなった。

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磯崎新氏によるスケッチ © ARK NOVA 2011

磯崎はすみやかに建設・解体できるコンサートホールを実現するため、ノアの箱舟から着想を得て、テント素材を空気で膨らませて設営するシェルターを考案した。サイズは長さ72m x 幅40m x 高さ23mで、500〜700人まで収容できるという。

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