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「ストリートアート・ウィズアウト・ボーダーズ」展

HAPPENINGText: Mamiko Kawakami

ドバイは公共物の破損は厳しく罰する為、世界で数少ないグラフィティが見られない都市の一つだ。そんな制限のあるドバイで行われたストリートアート展には、世界的に有名なストリートアーティスト、バンクシーなどの作品も集められたが、もちろんストリート上ではなくギャラリーの中に限っての展示だった。

「ストリートアート・ウィズアウト・ボーダーズ」展は、ドバイのビーチ沿いで人気のジュメイラビーチロードにあるプロアート・ギャラリーで3月9日から4月7日まで開催された。

トリートアート・ウィズアウト・ボーダーズ展
Courtesy of ProArt Gallery

オープニングレセプションでは、容姿は全く謎に包まれたイギリス人ストリートアーティスト、バンクシーか、ロスに拠点を置くフランス人アーティスト、ティエリー・グエッタ(ミスター・ブレインウォッシュ)が姿を現すかもしれないという噂もあったが、どうやらそれはなかったらしい。とは言え、世界中から集められた14アーティストの作品にアートファンは目を輝かせていた。

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“life is beautiful” by Mr. Brainwash. Courtesy of ProArt Gallery

プロアート・ギャラリーのキュレーター、フランソワ・エパウドによると『ミスター・ブレインウォッシュともバンクシーとも特別コネがあるわけではないが、彼らの身近な“誰か”がロスから今回の展示会に来た』らしい。ドバイでの初めてストリートアート展では、ストリートアートがメインストリームアートになりつつある事がはっきりと表れた。

プロアート・ギャラリーのディレクター、タティアナ・フォーレは『“ストリートアート”の定義はまだはっきりしたものがない。都会の街角を取り巻く、その姿形にこだわらない猛獣のようなもの。反政府的要素を持ち、その場所にあるからこそ、その民主主義的メッセージが一番理解される。ギャラリー内に限られたものではなく、トロフィーを集めるようにコレクションできるものではない。』と語る。

ストリートアートを迷惑な落書きとしか思わない人、その一方で政治的異議や懸念、デリケートな疑問を表現する手段と見なす人もいる。その定義や目的は変化している。元々は都会の若者が自分達の縄張りを示すものだったが、今では都会の美化や活性化を目的にされている事もある。『迷惑行為でも、公共の場のアートとしてでも、ストリートアートはアート界の注目となった。こんな事からドバイでももっと紹介されるべきと思った。』とフォーレは語る。

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