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モゴヨン

PEOPLEText: Wakana Kawahito

マドンナをはじめ、ケリス、フィッシャースプーナーなど有名ポップアーティストのCDジャケットやポスターを手がける一方、アートよりの映像やグラフィックなど、発表する作品の形態もジャンルも様々な、ニューヨークのデザインスタジオ「モゴヨン」(Mogollon)。しかし、どの作品も強烈にモゴヨンらしさを主張している。

今回、日本で初めて個展を開く彼らに、展覧会が始まる直前の DIESEL ART GALLERY で話を聞いた。

モゴヨン(Mogollon)

グラフィック、映像、タイポグラフィー、ウェブサイト、アパレル、オブジェ、舞台セットなど、モゴヨンの作品は多岐に渡りますね。一体全体、モゴヨンとはどのようなグループなのですか?

モゴヨンは、フランシスコ・ロペスとモニカ・ブランドによってニューヨークで2004年に設立された、2人組のデザインスタジオです。モゴヨン(Mogollon)とは、「豊潤」、「潤沢」、「沢山」や「とても」など、文脈によって幅広い意味を持つスペイン語。この名前の柔軟性が示す通り、私たちはジャンルにとらわれず、美しいものをつくること、それも普遍的な美を作り出すことを目指しています。今見て「わぁキレイ」というだけではなく、20年後も30年後も古くならない、そんな美のスタンダードを追い求めています。

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なるほど、ではモゴヨンにとって、美しさとは何ですか?

難しい質問ですね。私たちにとって芸術とは、美しさとは何か、普遍的な美とは何か、を常に探し続けている行為そのものです。たとえば、服の上のゴミを払ったり、ちょっとした人のしぐさだったり、そんな些細なことやむしろ醜いとみなされることでさえ、見方によっては美しく感じられることがあります。物事が美しく見えるかどうかは、それが置かれている文脈によります。そのような、物事が美しく見える文脈を探す。それが私たちの美に対する姿勢です。

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2人での作品づくりはどのように行なっていますか? 

最初のアイディア出しは2人で一緒に考えます。そのために、図書館や美術館によく行きます。たとえば、図書館に行くと、アートブックや資料はもちろんのこと、クラシカルな建物自体にも魅了されます。ニューヨークに住んでいることは私たちの作品に大きな影響を与えていると感じています。特に、アールデコなどクラシカルな面のニューヨークのデザインにはいつもインスパイアーされていますね。
アイディアが決まってからの進め方は、その時の状況やプロジェクトによって違います。どちらかといえば、フランシスコはタイポグラフィー、モニカは写真をもとに制作するのが得意というのはありますが、一人がデザインをしたら、次の人にスイッチして、必ず2人で制作をしています。本当に2人で一緒に作り上げている、という感じです。

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