ジェームス・ジャービス

PEOPLEText: Victor Moreno

異なる領域の表現が融合して新たな価値が生まれるのは素晴らしいことだ。今回のケースで言えは、それはデザインとトイ(おもちゃ)の融合。

イギリス人イラストレーターのジェームス・ジャービスは、ビニールとプラスティックでできたトイのムーヴメントの代表的な存在だ。パートナーであるソフィア・プランテラとラッセル・ウォーターマンと共に、90年代後半から活動している。

コンセプトはトイ・デザイナー。ジェームスは、会社「アモス・トイズ」をパートナーと立ち上げた後、ナイキ、そして最近ではコカコーラやマーヴェル・コミックスなどの大手企業からの依頼でユニークかつコレクター心をくすぐるアイテムのイラストを手掛けている。その活躍ぶりは、まさに生ける伝説だ。

ジェームス・ジャービス

ロンドンの RCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)で学んだそうですが、その頃の日々を振り返っていかがですか?

RCAではとても充実した日々を過ごせたよ。独自のビジュアルイメージを練り上げることに集中できたし、学問的な意味での芸術を学ぶことも刺激的だった。ただ一つ批判することがあるとすれば、当時、日常的な映像表現、たとえばアニメや漫画が芸術的な商品になり得ると思われていなかったことだね。

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これからイラストレーションやグラフィック・デザインを学ぶ人々にアドバイスするとしたら?

グラフィック・デザインを学ぶことについては何も知らないけれど、イラストレーションに関して言えば、「何でも描けるようになること」「訪れるあらゆる機会に対してオープンであること」かな。

エルジェやリチャード・スキャリー、ハビエル・マリスカルといったイラストレーターを敬愛しているそうですが、ここ10年で活躍するアーティストの中で特に影響を受けた人はいますか?

尊敬している現代アーティストやデザイナーはいっぱいいるけれど、とりわけ誰が、というのは難しいね。ジュヌビエーヴ・ゴクレールKAWSジェフ・マクフェトリッジ、レオン・サドラー、ウィル・スウィーニー横山裕一などの現代アーティストを尊敬しているよ。

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日本に向かおうと思われたきっかけは?

あえて日本に向かおうと思っていた訳ではないんだけど、僕の作品と完全にしっくりくる最初の場所だったんだと思う。90年代後半から00年代前半頃にファッションブランドとコラボレートしたアイテムが特に日本で人気だったんだ。そのおかげで日本での知名度も上がった。その頃からだんだん僕の作品に対する「熱狂」が落ち着いて、流行とは関係なく長く支持してくれる人が増えたように思う。

日本にはどのくらいの頻度で訪れますか? また、日本に行った時にすることで好きなことは?

1999年から2004年の間は少なくとも年に一度は行っていたね。2005年からは子供が生まれたからなかなか旅行できなくて。でも、機会があれば訪れているよ。直近では今年の2月に行われた「アモス・ミニチュア・プラスティック・ワークショップ」の際に行ったよ。ちょうどあの震災と津波の2週間前だ。

日本でやる好きなこと? 日本の友達と会うことがほとんど全てだけど、あとは東急ハンズに行ったり、田んぼを見たり、蕎麦を食べたり、代々木公園でランニングしたり、あとは散歩かな。

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