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リュウ・ウェイ個展「三部作」

HAPPENINGText: Emma Chi

民生現代美術館で開催されている「三部作」は芸術家・リュウ・ウェイ(刘韡)が過去2年間の間に制作した大型インスタレーション作品、彫刻、音声インスタレーション作品や絵画等を集めた展覧会である。ミクロ政治、身体と権力の対峙、視覚表現と権力による制限等が芸術家としてリュウ・ウェイが作品の中で注目している問題である。例えば、「七つの夜」(2007)、「徘徊者」(2007)、「切り取った、これは私のもの」(2006)、「Property of LW」(2004)、「それを愛する・それに噛み付く」(2004)や今回の個展のために作られた「わずかな間違え」等の作品の中では生活状況、空間や物質、生命の疎外感や暗流、時代への不安等に対する観察や思考を表現している。今回の展示によってリュウ・ウェイはより成熟し、柔軟に全体を見渡す視野と構想を示した。三つの展示室ではそれぞれ独立しているが関連性のある3つの作品が展示された。

リュウ・ウェイ個展「三部曲」

多くのアーティストは展覧会が開幕してから展示場で絵を描いて、いつもとは違った心理状態で作品を見たり作品を見てる人を観察するのが好きだそうですが、あなたはどうですか?

私はそういうことはしません。展示し終わったら、すぐにでも逃げ出したいです。視覚の疲労が本当にひどいです。ずっと展示室の中で仕事をしていて、長い時では十何日も展示室の中にいるので、視覚がひどく疲労してしまいます。

紹介文によると『ミクロ政治、身体と権力の対峙、視覚表現と権力による制限等がリュウ・ウェイが作品の中で注目している問題である;それらの作品では生活状況、空間や物質、生命の疎外感や暗流、時代への不安といった問題に対する観察や思考について触れられている。』となっていますが、何故こういった問題に対して特別関心があるのですか?自身の過去の経験に関係があるのでしょうか?

始めたばかりの頃はそんなに色々考えていませんでした。普段は色々考えることもあるけど、作品に触れる時はそんなに沢山のことを考えません。なぜなら、そんなに沢山のことを考えてしまうと創作への影響も大きくなってしまうからです。私は普段の状態の感覚を表現している訳ではありません。それでは私は何に関心を持つべきなのか?生活はこのような状況の中にあり、また社会に属しています。全ての物事がストレスになり得ます。例えばやりたいと思うことができないとか、多くの事や苦しみを伴う事、自分では変えられない事など、その全てから逃げ出すことはできません。

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「瞑想 No.1」,180 x 440 cm,キャンバス、油彩,2011

具体例を挙げてもらえますか?

ありとあらゆるストレスです。簡単に言えば住んでいる部屋から受けるストレス、何を食べるか、何をするか等、全ての物事があなたに対してプレッシャーをかけてきます。あなたの生命と全体のシステムが相関しているとするならば、あなたの生活もそのようにプレッシャーを受けているのです。何故ゆったりのんびりした生活を送ることができないのかなどといった問題は、私たちが存在している環境ととても大きな関係があります。それは中国で生活しようがほかの外国で生活しようが同じです。たとえ富二代(金持ちの二代目)だとしても、彼らなりの違ったストレスやプレッシャーがあるはずです。

あなたは写真、映像、絵画や彫刻等色々な領域に足を踏み入れていますが、学校で最初に習ったのは油絵だと聞いています。どのようにイーゼルの上で絵を描く事から他のメディアでの創作に移っていったのですか?

これは自然と自分に合った表現方法が見つかっていったんだと思います。私は「絵を描きたいからこの題材にしよう」というような方法はとりません。アイディアが出て来た時に、それに合った創作方法を選んで自分の考えを表現します。それは映像かもしれないし、インスタレーションかもしれないし、または絵なのかもしれないということです。

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