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「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」展

HAPPENINGText: Memi Mizukami

水戸芸術館で2月12日から開催されている「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」と題された企画展が、沢山の関連企画を催しながら5月8日まで行われる。高橋瑞木によるキュレーションで、9カ国14名の女性作家達が参加する展覧会だ。多くは世界中で活動しており、2010年度のターナー賞を受賞したスーザン・フィリップスを筆頭に、女性であるという共通点を除くと、皆面白い程に各々全く違ったアプローチで芸術や現代美術作品を展示、パフォーマンスを行なっている。

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水戸は寒く、静かな街だ。東京から2時間弱で行けるこの場所は、展望台でもあるタワーを目印に、美術館までの道程を丁寧に注目し楽しむことができる。そして美術館に近づくに連れ、音や歌声が聴こえてくる。スーザン・フィリップスの作品は、この敷地全てを使っているようなアプローチだ。よく反響するこの敷地に展示されたスーザンの作品「Did I Dream You Dreamed About Me」というタイトルには、いささか目の奥がツーンとした。美しく幻想的で夢の様だったのは、私が訪れたその日の水戸が雨とも雪とも言えるものが降っており、それが音を吸収、拡散することでより効果的になっていたからなのだろうか。ここから始まる展覧会の、美し過ぎるプロローグである。

スーザン・フィリップスとラウラ・ベレンの作品は、水戸芸術館敷地内ではあるが、ギャラリー外となるため注意が必要だ。ラウラの作品は水戸芸術館のエントランスホールに設置されたパイプオルガンに着想を得たインスタレーション作品であり、まさにこの美術館で展示をすることに意味がある作品であるため、このパイプオルガン共々是非ご覧になって頂きたい。

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小林史子《Node Point》2011

ギャラリー内の展示は、この展覧会で非常に印象的なアイコンとなっている小林史子による水戸の放置自転車を使った立体作品で始まる。身の回りのものや、そこにあるものを使い、「巣」のようなものを作るという所から始まった彼女の作品を見て、ヨーロッパで良く見かける宿り木を思い出した。目に強い印象を残す、という意味で次の部屋のタチアナ・トゥルーヴェの立体作品が続き、白い部屋に良く映えた黒い立体作品を見ることができる。

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