KENSHIN

PEOPLEText: Akihiko Hamada

毎ヘアスタイルを作り上げる上でのインスピレーションは色々あると思うのですが、どのようなものからインスピレーションを得ていますか?特に好きなミュージシャン、映画監督、俳優、スポーツ選手、作家などはいますか?

私の場合、特に決まった誰からというインスピレーションは無く、撮影の現場では刻々と変化していくシチュエーションに対応する為に、フィロソフィーに裏打ちされた柔軟な思考でヘアを作っていっています。

例えばプロセスは、作り→壊し 又作り→又壊す、というプロセスを繰り返し繰り返し行います、そのプロセスの中にたまに光り輝くプレゼント的なアクシデントがこっちをのぞき見る事が有ります。そこをすかさず感じ取り、そこからインスピレーションを頂くという手法等でつくっていく事が多いのですが、それは普段の自分の生活が反映している気はします。

そういう意味では自分の生活に置いて影響された人々は多く、詩人のゲーリー・シュナイダー、作家のポール・オースター、カオ・シンジェン、博物学者の荒俣宏、映画監督であるジャック・タチ、ミケランジェロ・アントニオーニ、黒澤明、コスチュームデザイナーの石岡瑛子など、映画、文学等からは多大な影響を受けていますが、やはり日常の生活である家族や、友人、仕事仲間といった人とのコミニケーションから生活のインスピレーションは得る事が多いですね。

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メンズ、ウィメンズ両方のヘアスタイリングをされていますが、双方の面白みや違いなどはあると思いますか?あればそれはどういった事ですか?

基本的にヘアのスタイリングと言う点では面白みは変わりないのですが メンズのヘアではキャラクターのあぶり出しや、メンズにみる特有のダイナミックさみたいなものを意識して作る事が多いです。どちらかというとグラフィックな意識が高まります。

ウィメンズの場合は、女性観は常に意識して作る事が多いです。なので特にムード等を大切にしするので、アンパーフェクトなものやテクスチャー、シェープといったものが私の中では大切になってきます。

今までエディトリアルやコレクションなど、多方面で様々なクリエーターやモデルとお仕事されてきたと思うのですが、ご自身のキャリアの中で特に刺激的だった人、印象に残っている人、影響受けた人などがいれば教えて下さい。

一緒に仕事をしてきた人々は、有名無名を問わず常に刺激を与えて頂いた方が多かったのですが、巨匠である写真家、アルバート・ワトソンとの仕事は常に刺激と尊敬でいっぱいです。友人でもある写真家のルイス・サンチェスとのクリエーションは、常に新しい事にチャレンジする、素晴らしい仲間でもあります。

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今後挑戦したいエディトリアルや参加したいコレクションなどありますか?また一緒に仕事をしてみたいクリエイターはいますか?

常に挑戦したいエディトリアルや参加したいコレクション、新しいチームとの仕事は沢山ありますが、強く望むものはミュージアムとのコラボレーションで、ヘアスタイリングで何かしらコラボレーションしたいと考えています。

ニューヨークでの暮らしについてお伺いします。仕事面、生活面両方において、日本と随分違うと思いますが、ニューヨークの良い面、不自由な面があれば教えていただけますか?また移住してきてから今日まで苦労した点などあれば教えてください。

とにかく外国人として他国に住むという事においては、大なり小なり苦労の連続ですが、ニューヨークでは多民族、多国籍な人々が集まる所なので、単一民族の国よりは生活しやすいと思います。

仕事面においては特に撮影時にはスタッフの半数以上は外国人である事が珍しくなく、外国人と言えど、良いものは良いと受け入れる寛大さは素晴らしいと思います。

生活面においてニューヨークはやはり国際都市としてはサラダボウル、メルティングポッドと呼ばれる様に多民族が暮らす街であり、色々な国の価値観や文化を体験できる上では素晴らしいと思います。

ニューヨークで好きな場所、お店などはありますか?

やはりミュージアムは世界の中でも至高な物が多く、カルチャーを確実に引っ張るイベント等も行っている為、見所はいっぱいですね。PS1の夏に行われる「ウォームアップ」やMOMAの「MOVE!」などは見逃せないイベントです。

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