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第19回 ARTEBA

HAPPENINGText: Mami Goda

南米モダン・コンテンポラリーアートにとって最も重要な祭典の一つであるのが毎年一回ブエノスアイレスで開催されるアートフェア「ArteBA」だ。今年で19回目を迎えるArteBAは、アルゼンチンは勿論のこと、スペイン、チリ、ブラジル、コロンビア、ベネズエラなどのラテン諸国から、現代ラテンアートを代表する著名ギャラリーが数多く参加している。6月25日から29日までというわずか5日間の短いフェアだが、欧米のアートにも負けない近代美術のクオリティーの高さと再確認し、さらに若手アーティストによる現在進行形のエネルギッシュな現代アートを発見する重要な場となっている。

今年のアーモリーショーに参加し注目を浴びたアルゼンチンを代表する現代造形作家のマルタ・ミヌヒンの作品が今年もまた目立っていた。二人のギャラリスト、ロレト・アレナとロクサナ・オリビエリの共同プロジェクト内で展示された作品。まずマットレスの生地を切ってテープ状にし、蛍光色に塗ってから240x480cmの巨大なキャンバスに貼り付け画面を埋め尽くす。蛍光色の織り成す光の分散効果は、画面に向かって意図的に当てられたプロジェクターの光の動きとの相互作用で観客の視覚にインパクトを与えていた。

ロルディ・アルテ・コンテンポラネオは、2009年に高田賢三の個展を開いて話題になったが、フェアでもやはり中央の壁に飾られ一際存在感を放っていたのは高田賢三の作品だった。アンティークの着物や日本的なデッサンを組み合わせたコラージュ作品。

アルゼンチンを代表するルス・ベンサカール・ギャラリーは、アルゼンチンを代表する現代アートギャラリーと言ってしまっても過言ではない。スパゲッティ・ベンチで知られるパブロ・レイノッソの鍬シリーズやレオ・チアチョとダニエル・ヒアノネによるラテンアメリカ独特の色使いが特徴的な刺繍によるテクスタイルアートなど、自然素材を使った洗練された作品が並んでいる。

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