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ボリス・ホペック

PEOPLEText: Mariko Takei

バルセロナを拠点に活躍するドイツ人アーティストボリス・ホペック。その代表作品のひとつでもある「Bimbo doll」は世界の様々な舞台へ登場し、そのかわいらしくもブラックユーモア溢れる作品を目にした人も多いだろう。DIESEL DENIM GALLERY AOYAMAでは、ボリス・ホペックによる日本初個展「Ever展」が4月21日から開催される。“西洋人がみる日本文化”をテーマに3シリーズの作品で構成した、ホペック独自の視点で切り取った作品が展開される。

ボリス・ホペック
Photo: Barbara Oizmud

自己紹介をお願いします。

ボリス・ホペック。ホルスト・ホペックとハイジ・ホペックの息子として1970年にドイツにあるクロイツタールという小さな村で生まれる。ほとんど学校へ通うことのなかったこの村のヒッピーコミュニティで生活し、まだ赤ちゃんだった頃に初めてマリファナを経験し、歩けるようになる前からパーティ、フェスティバル、コンサートなどに参加。ヒッピー第2世代として後に森で暮らすようになり、動物を狩猟したり、工作したりしてた11才の頃、また、まだ誰もコンピューターについて知識がない頃、自身初のコンピューター「コモドール V20」で両親をビックリさせた。

そんな生活をしていたある時、祖父母の本棚の中にブコウスキーの本を発見。トレーサー技師として訓練した工場では、よく本を読んだり、トイレに絵を描いたりしていました。1990年になるとグラフィティを、1994年には女の子と遊ぶように。へへ!10年以上、軍隊の登録令にちゃんと従うことなく、訓練所から復帰するのに数年かかった後、自分にとって最適なことが何かを発見。現在では、ほとんどコミュニケーションをとらないでいます。

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20年前からグラフィティワークを手掛けていたそうですが、そのきっかけを教えて下さい。またどこを拠点にどのような作品を手掛けていましたか?

グラフィティを始めた場所は、ドイツのジーゲンという地元の街で、初のストリートアート体験は6才の頃。濡れたメルセデスベンツの車体全体に新聞紙を貼付けたんだけど、乾いたらとてもいい具合に張り付いて、車の持ち主はとてもいい具合に怒ってた。写真を撮れば良かったな。

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グラフィティをする前は、何年も写真をやっていて、他に映像やドローイングや工作などもやってましたよ。でもグラフィティを発見したときは、その手軽さにハマって。映像や雑誌みたいに、機材や人、時間や費用の心配が必要ないので。もちろん、お役所的なものでもないし、作品を持運ぶ必要もない。必要なのは、ペン、スプレー缶、チョークだけ。なので、大規模なプロジェクトに取り組むのは、自分が成長するまで延期することにしました。グラフィティは、実生活の中でリアルタイムにする勉強みたいなものですね。スタジオやギャラリーがストリートの壁で、歩行者が予期せぬアート評論家のように。

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