
2009年はブルックリンをベースに活動するアートポップバンド、ダーティ・プロジェクターズにとって印象的な一年だった。シングル「スティルネス・イズ・ザ・ムーブ」は考えられるありとあらゆるインディーズミュージックのブログで流され、彼らの調和のとれたメロディーや変調のリフ、それと楽しげなビートは高い評価を得た。ダーティ・プロジェクターズのフロントマンであり作詞作曲を担当しているデイヴ・ロングストレスは、アルバム「ビッテ・オルカ」で注目すべき魅力的な9曲の制作を行った。そして彼は受けるに値する知名度を得た。
ダーティ・プロジェクターズは、先頃東京で初となるライブを行い、ライブパフォーマンスを披露した。ライブの翌日、ロングストレス氏に会うことができたので、東京での演奏の感想を聞いてみた。
昨日の夜、東京の観衆の前で初演奏を果たしましたが、日本人のお客さんの前で演奏してみてどうでしたか?アメリカのお客さんと比べて反応は違いますか?
全然違ったよ。昨夜の人たちはとても真剣に聴いていたからね。ニューヨークの人たちははテンションが高いことで知られてると思うけど、僕らはその場の空気に合わせて違った演奏をしていたと思うよ。
そうですね。日本人は曲と曲の間で極端に静かになるところがありますね。
確かにちょっと気まずかったよね。もしアンバーの髪が床に落ちたら聞こえるくらい静かだったかも。緊張したよ。
あと、昨日のギグにはいろんな人がいました。何人かのスーツを着た日本のビジネスマンがダンスしている姿をみましたよ。
最高だね。僕らは原宿のバーにいったんだけど、ビールを運んできた女性に僕らを知っているか聞いたら知っていたんだ。彼女、僕らのアルバム「ライズ・アバーブ」を持ってるんだって…すごく驚いたね!
東京はいつかは訪れる場所として最高なところだといっていましたね。実際期待通りの都市でしたか?
もちろんだよ!アメリカの誰もが映画で観る東京のイメージがあって、そして思うんだ「違う!実際こんな風なわけないよ…」って。でも実はその通りなんだ。今のところ渋谷と原宿の周辺しか行ってないけど、とっても衝撃的だったよ。渋谷駅の地下にある東急フードショーで食料品をたくさん買物したんだけど、魚や餃子、たこ焼きなんかがあってすこしシュールだったね。
去年から今年にかけて多くのツアーを回ったようですが、これまででお気に入りの場所などありますか?
2、3週間前ロサンジェルスのディズニーホールで演奏した時はとても楽しかったよ。すばらしい雰囲気だった。
ダーティ・プロジェクターズは、以前メンバーの入れ替えをよく行うバンドでしたが、現在は固定メンバーとなったようですね。現在のメンバーとはどのように出会ったのですか?
ベース担当のナットとは、2004年に カイル・フィールドのバンド「リトルウィングス」のオープニングセッションで知り合ったんだ。別のバンドのメンバーだったアンバー(ギター兼ボーカル)とはツアー中も会うようにしていて、それで僕らは友達になり、ニューヨークに越してからアンバーは僕らのバンドに加わったんだ。エンジェル(ベース・ボーカル他)とは僕らがライズ・アバーブをレコーディングしていた同じ場所で演奏していたのがキッカケで親しくなった。共通の趣味をもてば素晴らしい人と出会えてその人と友達になったり、共同でプロジェクトをつくったりできるんだ。
バンドは「ビッテ・オルカ」で一気に有名になりましたが、このような成功をすると思っていましたか?
いいや。長い間僕らがプライベートな活動として一生懸命やってきたことが、急に公になっただけだよ。
ライブで演奏する好きな曲はなんですか?
それはその時々のライブで変わるね。「ノッティ・パイン」は昨夜演奏していて本当に楽しかったよ。
ブルックリンをベースに活動していますが、そこは実験的なバンドのメッカとなっているようですね。ニューヨークに住んでみて曲に何か影響を与えたと思いますか?
僕はただ、自分がつくろうと思う曲をつくっていて、そのロケーションについてはあまり影響はないですね。でもブルックリンには5年くらい住んでいて思うのは、ニューヨークはまるでインターネットの中に住んでいるように感じるよ。いつでも全てが揃うからね。
いままでバンドで活動してきて一番影響を与えたバンドやお気に入りのバンドはありますか?
ビートルズ。お気に入りは難しいけどね。
最近参加している新しいプロジェクトは何ですか?
たくさんの曲を書ているよ。今のところバラバラのメロディーに過ぎないので、まだどうなるのかわからないけどね。
Text: Monika Mogi
Photos: Teppei
Translation: Nozomi Suzuki