ジュール・ジュリアン

PEOPLEText: Wakana Kawahito

「CADAVRES EXQUIS」(優美な屍骸) 

ジュール・ジュリアン

Jules Julien

1975年生まれで、アーティスト・イラストレーターとしてパリを拠点に活動するジュール・ジュリアン。彼は、フリーのアートディレクターを経て、2006年よりドローイングやデザインをメインに作品づくりをスタート。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア の数多くの雑誌に作品が掲載され、各メディアやギャラリーから注目を集めている。近年では、Gallery Margalef & Gipponi(アントワープ)、Gallery Antebellum(ハリウッド)でのグループ展にも参加している、そんなジュール・ジュリアンによる日本初の個展「CADAVRES EXQUIS(カダーヴル エクスキ)–優美な屍骸–」が、東京・青山のDIESEL DENIM GALLERY AOYAMAにて開催されている。今回、展覧会オープン直前のジュリアンにインタビューを行った。

日本で初の展覧会を行う感想を教えてください。

すごく嬉しいです。来日は3回目なのですが、今回展覧会を開催できることになり、興奮しています。日本のカルチャーが大好きなんです。

日本のカルチャーで好きなものを具体的に教えてもらえますか?

例えば、音楽は、ASA-CHANG&巡礼、文学は、村上春樹、小川洋子、夏目漱石などが好きです。あと、漫画も好きで、特に松本大洋の「ピンポン」と「鉄コン筋クリート」には影響を受けています。

ジュール・ジュリアン
Photo: 加藤 健

今回のDIESEL DENIM GALLERY AOYAMA (以下DDG)でのテーマは「今の東京」ですが、東京のファッションについてのあなたの考えを教えてください。

日本とパリのファッションシーンを比較すると、東京はとてもファッションで遊んでいる街だという印象を受けています。色使いがカラフルだったり、たくさんの小物を着けたりするのは、パリではあまり見られません。それとは逆で、日本には制服文化もありますよね。制服を着ている学生やスーツを着ているビジネスマンをたくさん見ます。東京には、自由にファッションを楽しむ文化と統制された服装である制服の文化、その2面性があり、そこが面白いのです。

ジュール・ジュリアン
Photo: 加藤 健

このピンクに黒で描かれている絵は、今回のDDGでの展示のための新作だとお伺いしましたが、これらの作品のコンセプトを教えてください。

大きく分けて3つあります。一つ目は、「遊び」。今回の展覧会のタイトルも「優美な屍骸」としている通り、東京のミックススタイルからインスピレーションを受けて、「シュールレアリズム」の時代に流行った「le cadavre exquis」(優美な屍骸)という遊び(※それぞれの部分を別の人が描いて一つの作品をつくる技法)を自分なりにアレンジしてみたということです。
二つ目は「モード」。雑誌などで発表したモードがストリートに影響を与え、ストリートファッションを見たスタイリストやファッションエディターがそこから影響を受けてまたモードに反映していく。そんな永遠に続くサークルを意識しています。会場の大きな窓の前のスクリーンに映し出した画があるのですが、そこではシルエットを永久に変化させることで、このファッションサークルを隠喩しています。
最後は「死体」。人々は時にスタイルを作りすぎて自分を見失った屍のようになることがあります。それを、顔がなく、何だかよくわからない、人形のように描くことで表現しています。
私は、ファッションの華やかさと儚さの両義性を描きたいのです。

ピンクと黒のみで絵を構成した理由は何ですか?

ピンクは一番好きな色ですし、東京を象徴する「カワイイ」カラーだと思います。一方、黒は死のイメージです。つまり、両義的なものを表現するのにピッタリという訳です。

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