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アルナウ・サラ

PEOPLEText: Julio Cesar Palacio

広告やファッションがありふれているこの街で、アルナウ・サラは希少な存在である。バルセロナでは、アート/音楽業界でいつも何かが始まろうとしているのを常に感じることができる。しかしまた、風潮やファッションマガジンの流行に流されている他の街と同じく、新しいものが生まれて消えていくのはあっと言う間だ。その時代の風潮に流されることなく、ひとつのアイディアに固執する人は、バルセロナにアルナウ以外知らない。彼は、インディペンデントレーベル「オゾノキッズ」の設立者であり、1999年の発足よりこのレーベルを続けている。オゾノキッズはDIYレーベルであり、カセットやレコード(時々CD)で、風変わりな音楽を発表している。その中には、国内/国外の様々なジャンルのアーティストを含む。例えば、M Ax Noi Mach、アンチェインド、エンジェルダスト、コーンドッグ、ジョシュア・ノートン・カベル、エンサラディージャ・ルサなど。

Arnau Sala

アルナウはまた、この10年間、音楽家そしてグラフィックアーティストとして活動している。2003年にはフィラデルフィアに移り住み、現在のアメリカのノイズミュージックシーンを代表する地元のアーティストたちと活動することにより、そのシーンの最新情報を知り、エレクトロニックミュージック、そして楽器やエフェクトによるエクスペリメンタルへの興味を深めていった。

Arnau Sala

アルナウについて話すことは、カタルーニャのエクスペリメンタルミュージックのニューウェーブの中の、最も重要な人物について語るということだ。アルナウは、ダルマウ・ボアダとともにLes Ausというエクスペリメンタル・ロックバンドを組んでいる。このバンドは、リディア・ランチなどとコラボしたり、ソナー、SXSW、スイスのLUFFフェスティバルなどで演奏したり、アメリカとヨーロッパを2度ツアーしたりしている。アルナウはまた、ソロや他のアーティストやパフォーマーとコラボしながらも、アクシデンタル・ノイズをやってみたり、Homenatges、ベスティア・フェリダ(エイドリアン・アルフォンソと伝説のノー・ウェーブ・バンド、Marsのマーク・カニングハム)と即興演奏も行っている。

アルナウはまた、名の知れたイラストレーターでもある。最近では、トドフント・ギャラリーでの個展で作品を発表したばかりだ。ミュージシャンやレコードレーベルとのコラボで、CDやレコードのカバー、ポスターなどのアート作品に携わっている。

アルナウの新しいスタジオ、そしてバルセロナにあるオゾノキッズの本拠で、アルナウにインタビューすることとなった。

僕がはじめて「Les Aus」のライブを観たのは、ソナー07でした。誰かが、『おい、このバンド絶対観たほうがいいよ。真のバルセロナアンダーグラウンドだよ。』って僕に言ってきたんです。こういったことを言う人たちについてどう思いますか?

どう思うかって?いいコメントだし、だれかが君に僕らのショーを観るように勧めるってことが素晴らしいよ。だれかが僕らを”本物のなにか”として呼ぶことが、てれくさいけどね。僕らは主にバルセロナで演奏するけど、バルセロナのバンドでもないし、バルセロナのどのシーンにも属さない自由型バンドなんだ。もちろん友だちはいるし、コラボだってする。でもLes Ausとして、僕らのソロプロジェクトやアートを通して世界各国の人たちとコラボするんだ。

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