
立体の謎を解き、紙のもろさに詩的な要素を与える。

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Les Siestes Electroniques / 7th Edition Identity (Music Festival) / 2008
グラフィックデザイナーであり、紙によるオブジェの制作、そのオブジェとグラフィックを組み合わせた作品、映像作品など、平面、立体、映像にこだわらず幅広い可能性を持った活動をしているフランスのピエール・バンニ。彼の作品は、ヴィクショナリーから出版された立体グラフィックスを収録した「Stereographics」にも収録されている。
親日家でもある彼に、これまでの活動や制作背景についてお話を伺った。
まずはじめに自己紹介をお願いします。
ピエール・バンニです。1983年生まれで、フランス南部・トゥールーズ育ちのグラフィックデザイナーです。
大学では、アートとデザインが混ざったような少し変わった教育を受けました。通常、有名なアートスクールを好むフランスのグラフィックデザイナーからしてみると、模範的な学校とは言えませんが、最終的に私は学校に誇りを持つようになりました。

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PLAYGROUND / Exhibition with Play Collective @ GHP (Toulouse, FR) / 2008
いつ、どんな経緯でクリエイティブな世界に関わるようになったのですか?
映像作品についても教えてください。映像に登場する人物はあなたとあなたのお友達ですか?とてもユニークですね。
そうです、登場しているのは私と友人です。
全ての映像は、リヨンで行われた音楽フェスティバル「Les Nuits Sonores」のために作成したものです。

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Romantic Justice / Video for Justice dj set @ Lyon, FR / 2007
友人のマチュー・ フェルミジエと、新鮮で面白いものを作ろうと決めました。彼は素晴らしいコメディアンで、常に私達は面白いグラフィックを考る事ができます。
ある午後の日に、これらの映像を撮影し、すぐに仕上げました。映像の成功はこういったバランスのよさから来ていると思います。

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Paper Sculpture [for the Manystuff's Exhibition"REFLECT"] © Photo by Julien Leliwvre / 2008
次にオブジェの話を聞かせてください。なぜこのような多面体の紙のオブジェを作ろうと思ったのですか?また緻密に計算しながら作っているのか、感覚的に作っているのか、制作段階の話もお伺いしたいです。
大学時代のリサーチがきっかけとなってます。私はデジタル画像の立体化に従事していました。3DCG自体が好きだからではなく、むしろ嫌いだからこそ、立体に興味をもっていました。3DCGの本物っぽさを主張した感じや、映画や広告に使われてるを見るのがあまり好きではないんです。紙で立体作品を作るという何とも皮肉的な行程。立体にする事でリアリティを与えるけど、そうするとそこに幻想力が失われてしまいます。立体の謎を解いて、紙のもろさに詩的な要素を与えることが、その解決法だと思っています。作成段階で実は日本製の子供用ソフトウェアを使用しています。立体を展開するソフトです。なぜか分かりませんが、私よりも前にグラフィックツールとしてこのソフトウェアを使用している人は誰もいませんでした。使い方はとても簡単なのに。

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Palm Beach - No Kiss With Gloss / Sleeve / 2008
ヴィクショナリーから出版された「Stereographics」について、また掲載されている作品について教えていただけますか?
ジャン・ジュリアンやジュリアン・ヴァレーのような多くの友人がこの本には掲載されています。
私たちは紙をそれぞれのやり方で利用していると思います。グラフィックデザインも形が重要なのではなく、どういう意図があるのか重要なのです。
プロジェクトは素晴らしいと思います、私はまだ実際に本を見てないのですが、とても良いプロジェクトだと確信しています。ヴィクショナリー出版には本当に感謝しています。

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VANITAS / Paper Crafts (Reserch) / 2008
映像を作っている時と、オブジェを作る時、共通して思う事、また違う面を教えてください。また制作をしていく中でテーマなどはありますか?
映像とオブジェの共通点は、ナレーションの観点から両方とも見ているということです。私は映像的な要素を持つ作品では、多種多様な物語や解釈を提案しなければならないと思っています。
それぞれのプロジェクトのテーマは、クライアントと一緒に考えて、彼らが表現したいことを一緒になって作り上げていくことです。勿論「グラフィックスタイル」は持っていますが、プロジェクトの見方のひとつに過ぎませんし、トレンドにもこだわっていません。

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Archimedes / Paper Sculpture (for first solo exhibition at REGALA, Bordeaux) / 2008
影響を受けたデザイナー、アーティストはいますか?
ルネッサンス期の画家、特にハンス・ホルバインにとても憧れます。
実際、様々な面白いアートには興味がありますが、現在は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を読んでいます。私にとって非常に興味深い本です。
かなりの親日家だとお伺いしました。映像にも日本語が出てきて驚きましたが、日本のどこに魅力を感じますか?また日本のグラフィック、クリエイティブシーンについて思うことがあれば教えてください。
はい、日本が大好きです。でも、映像で使用している言葉は間違っているに違いないので、恥ずかしいです。
日本のクリエイティブシーンは興味深く見ています。稲葉英樹や野田凪などのクリエイターから多大な影響を受けていますし、日本の詩的な感情を感じます。言葉では説明しにくいのですが、感覚としてです。
普段どのような環境で作品を制作していますか?また普段はどのようにして過ごしていますか?
作品は家で制作しますが、時々一人で制作することに飽きたりもします。
そういう時は、近所のカフェに行って本を読んだり、太陽の下で居眠りしたりします。

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New York Style Times Magazine / Cover [featuring the photographer Mich Feinberg)
今後の予定、現段階で決まっているプロジェクトがあれば教えてください。
現在、フランスのポンピドゥー・センターのためのショートムービーを制作しているところです。
また、近々出版されるニューヨークスタイルマガジンの表紙を、フォトグラファーのミッヒ・フェインベルクとのコラボレーションがちょうど終わったところです。
そして、私の夢は地元の仲間達と日本のグラフィックプロジェクトに取り組むことです。
最後にSHIFT読者にメッセージをお願いします。
私と仕事をしたいと思った方は、ぜひとも連絡お願いします!
Pierre Vanni
pvanni@hotmail.fr
Tel: 06 11 42 35 91 (France)
Text: Asami Miyamura
Translation: Kazunari Hongo