ピエール・バンニ
PEOPLEText: Asami Miyamura
Paper Sculpture [for the Manystuff’s Exhibition”REFLECT”] © Photo: Julien Leliwvre, 2008
次にオブジェの話を聞かせてください。なぜこのような多面体の紙のオブジェを作ろうと思ったのですか?また緻密に計算しながら作っているのか、感覚的に作っているのか、制作段階の話もお伺いしたいです。
大学時代のリサーチがきっかけとなってます。私はデジタル画像の立体化に従事していました。3DCG自体が好きだからではなく、むしろ嫌いだからこそ、立体に興味をもっていました。3DCGの本物っぽさを主張した感じや、映画や広告に使われてるを見るのがあまり好きではないんです。紙で立体作品を作るという何とも皮肉的な行程。立体にする事でリアリティを与えるけど、そうするとそこに幻想力が失われてしまいます。立体の謎を解いて、紙のもろさに詩的な要素を与えることが、その解決法だと思っています。作成段階で実は日本製の子供用ソフトウェアを使用しています。立体を展開するソフトです。なぜか分かりませんが、私よりも前にグラフィックツールとしてこのソフトウェアを使用している人は誰もいませんでした。使い方はとても簡単なのに。
Palm Beach – No Kiss With Gloss, Sleeve, 2008
ヴィクショナリーから出版された「Stereographics」について、また掲載されている作品について教えていただけますか?
ジャン・ジュリアンやジュリアン・ヴァレーのような多くの友人がこの本には掲載されています。
私たちは紙をそれぞれのやり方で利用していると思います。グラフィックデザインも形が重要なのではなく、どういう意図があるのか重要なのです。
プロジェクトは素晴らしいと思います、私はまだ実際に本を見てないのですが、とても良いプロジェクトだと確信しています。ヴィクショナリー出版には本当に感謝しています。
VANITAS, Paper Crafts (Reserch), 2008
映像を作っている時と、オブジェを作る時、共通して思う事、また違う面を教えてください。また制作をしていく中でテーマなどはありますか?
映像とオブジェの共通点は、ナレーションの観点から両方とも見ているということです。私は映像的な要素を持つ作品では、多種多様な物語や解釈を提案しなければならないと思っています。
それぞれのプロジェクトのテーマは、クライアントと一緒に考えて、彼らが表現したいことを一緒になって作り上げていくことです。勿論「グラフィックスタイル」は持っていますが、プロジェクトの見方のひとつに過ぎませんし、トレンドにもこだわっていません。
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