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イラストレイティブ・チューリッヒ 08

HAPPENINGText: Peta Jenkin

ロンドンから乗った飛行機でチューリッヒ空港に降り立つ際にふと見上げた空は、真新しい青の制服のような色だった。空気はとても新鮮で透き通っていた。ロンドンで行われたフリーズ・アートフェアの時と同様チューリッヒも素晴らしい天気に恵まれいたので、私の気持ちは再び沢山のアートを見るためにとても良いムードだった。

今年で第3回目となるイラストのためのアートフォーラム、イラストレイティブ・チューリッヒ 2008は、昨年大きな成功を納めたベルリンと同じく、ファッションからテキスタイル、グラフィックデザイン、コミックよりも知的なイラストなど、イラストを様々な観点から賞賛する展示内容だった。

 Illustrative Zurich 2008
Opening night

金曜日の夜には広大な展示場でオープニングナイトが開催された。展示場には400点を超えるイラスト作品の他に、ビデオ作品や彫刻作品も展示されていた。展示場は端から端までブースで埋め尽くされていて、日本やフィンランドなどの国からもイラスト制作会社やクリエイティブエージェンシーが出展しており、今年のイラストレイティブは例年と比べ、より「フェア」的な要素があった。

 Illustrative Zurich 2008
Opening night

展示では全35人の著名な作家から新進気鋭の作家達が自身の才能を訪問者に印象づけていた。ドイツ人で著名なイラストレーターであるオラフ・ハジェクは、アジア調スタイルで描かれたキャッチーなポートレート集を展示していた。オラフのポートレートでは蛍光ピンクや青の色で、身体の半分が人間である生き物が愛の抱擁で絡み合う絵がざらざらで光沢のある紙面に描かれていた。

 Illustrative Zurich 2008
Helle Mardahl

ファッションデザイナーからアーティストに転身したヘル・マーダルのグロテスクな作品 「Royal Orgy of Consumption」は、イラストレイティブのファッションサロン入り口近くを占領していた。 作品から噴き出す豪華絢爛な彫刻は本体部にきめ細かく縫い込まれていて、マーダルの作る独特な服が初めてクリエイティブ世界での初作品を残すというよりも、まさに今その場でマーダルが壁上部分と彫刻を作り上げているような作品だった。

 Illustrative Zurich 2008
Henrik Vibskov

デンマーク人のヘンリック・ヴィブスコブのインスタレーションはマーダルの作品と同じく私に大きな印象を残した。ヴィブスコフの作品では沢山のファッション作品が何体も設置されたマネキンを覆っていた。その作品は彼が壁に飾った描画とリンクするイラストレーション技術が使われていた。

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