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FITC ソウル 2008

HAPPENINGText: Yurie Hatano

カナダのトロントを発祥の地として、北米やヨーロッパを中心に行われている最先端のデザインとテクノロジーのカンファレンス「FITC」が今年アジアに初上陸。2008年10月14日、ソウル市COEXを会場にして、豪華なゲストクリエイター7名によるプレゼンテーションと共に「FITC ソウル 2008」が繰り広げられ、チケット完売で、入場者数1250名以上という大成功を収めた。

FITC ソウル 2008

どのプレゼンテーションも聞き漏らすことのない全日一会場での開催。会場を埋め尽くす地元の若いデザイナーやディベロッパー達は、韓国語との同時通訳に反応しながら、ノートを傍らにインスピレーショナルな長い一日を過ごす。ウェブ最新技術にまつわる情報や紹介される作品はもちろんのこと、各クリエイターの個性的なステージにプレゼンテーションのあり方までを考えさせられる興味深いイベント。ここではもちろん誰もが、辿々しくもこの言葉でプレゼンテーションを開始する。アンニョンハセヨ!

FITC ソウル 2008

一人目のクリエイターは、フラッシュ、ウェブに特化したアドビのクリエイティブ・ソリューション・ビジネス・ユニットからポール・バーネット。初めに「Adobe AIR」を利用して準備されたスクリーン上のUSBから手品のようにタイトルを出すと、観客の注目を一気に集めた。『10ヶ月でウェブ上のデスクトップの90%はフラッシュになる』と明言し、このイベントの時点ではまだ出荷されていなかった「Creative Suite 4」から主に「Flash CS4」についての利用方法を解説、デモンストレーションを行う。骨を設置することで人間の腕やクレーンなどのアニメーションを簡単に作れてしまうボーンツールは、紹介された中でも特に鮮やかな新機能だ。

FITC ソウル 2008

この度、唯一の女性プレゼンターであり、唯一の開催地ソウルのクリエイター、ユナ・セオルは、大手ブランドのデジタルキャンペーンを数多く手がけるポストビジュアル社のクリエイティブ・ディレクター。『ストーリーテリングとは人間の歴史の始まりからメッセージを伝えるための理想的な方法』として、コンピューターの利用によって人間の背中が曲がり、原始的な姿へと戻り行く印象的な人間進化の画像を提示。デジタル環境が生み出された今、その方法も進化しており、そこでキーワードとなるのがインタラクティビティだとした。

主に『どう人と関わるか』というテーマに沿って、日常にあって誰もが共感できるシーンに迫り、メッセージとして感動的に伝えるコンセプトの作品が多く紹介された他、ナイキ「AIR FORCE1」のインタラクティブ・ウォールや最新作3Dアニメーション「BE THE LEGEND」などの制作過程が披露された。彼女のプレゼンテーションもまた、他に見られた即興的な言葉によるものではなく、それ自体がストーリーテリングのようだった。

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