バッソ&ブルック

PEOPLEText: Shintaro Miyazaki

70年代後半に生まれたファッションデザイナーの二人組み、ブルーノ・バッソとクリス・ブルックは2008年夏のベルリン・ファッション・ウィークにてレトロ調の作品を発表した。2003年から共同で作業を始めるようになり、2004年にはファッション・フリンジのコンペにて優勝。バッソ&ブルックは高級志向の商品を製造する「Aeffe」と商品開発を始め、「ニューデザイナー」として2006年エル・スタイル賞に選ばれ、2005年のロンドン・ファッション・ウィークにてフルコレクションを発表した。

バッソ&ブルック
Mercedes-Benz Fashion Week in Berlin: Show Basso and Brooke, 2008

バッソ&ブルックは、20世紀後半のポストモダン情報化社会から生まれたファッションデザイナーのようだ。現在、新世紀の初期において彼らは、順応性があり、聡明でテクノロジーを考慮した、だが奇妙ではない、グラマラスでダイナミックまた遊び心のある無定形のアイディアを生みだし成果を挙げている。サイバーパンクスは賢明なファッション・アーティストとして彼らに目をおいた。SHIFTは、2008年ベルリン・ファッション・ウィークにあたり彼らに取材をした。

バッソ&ブルックバッソ&ブルック
Mercedes-Benz Fashion Week in Berlin: Show Basso and Brooke, 2008

ベルリン・ファッション・ウィークにおける過去4年のレトロ調作品はとても感激的でした!あの時のショーについて聞かせていただけますか?

ベルリン・ファッション・ウィークの主催であり、クリエイターの「IMG」が、ベルリンでショーをやることを持ちかけてくれ、私達は今までやってきた4年間の制作を再生してみようと決めました。このように自由な中で、また、沢山の衣服から選択できる状況で、制作し直すことができたのは、とても嬉しかったです。私達は8シーズンの全てのアーカイブを丹念に見直し、最も気に入っていたものをスタイリストであり指導者でもあるナマリー・ボレーと一緒に選び出しました。全てをリミックスすることから始めたのです。とても複雑でありながら、また調和の取れたものを作ることを最終的な目標にしていました。ファンタジーを混ぜ合わせながら、国際的に、また時空を超えてファッションや他のどのフィールドにおいてもエキスパートになる必要性がなく理解される、抽象的であり超現実的な世界観が、イマジネーションへの入り口であり、私達の個々の理想を再強化してヴィジョン化するようなものでした。そして最も重要であったのは私たち自身の楽しみです。毎日の生活において一般の人々が私たちが紹介したような衣服を直接的に身に着けないことはもちろん理解していますし、それが目的では全くありません。むしろこの好機を、内側に持つファンタジーや現実逃避主義を表現するものとして保ちました。スタイリングの過程において気づいたのは、エリザベス女王やダ・ヴィンチ、ルイ14世、バーバーロッセ、ナポレオン、マダム・デ・ポンパドール、エドワード・デームスなど、その他沢山の有名な歴史上の人物たちが何らかの点において影響してきたということです。エキゾティシズム(異国性)は、おそらく多くの文化の混合からできたのではないかと思っています。私達の一人は太陽、美しい女性たち、歓喜あふれる輝いた土地であるブラジル出身です。もう一人は、歴史、尊大さ、発見、影響的なポップカルチャー、ユーモアの感覚などが沢山つまったイギリス出身です。

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Mercedes-Benz Fashion Week in Berlin: Show Basso and Brooke, 2008

ショーからは、新古典派やサイバーパンク、エキゾティシズム、不思議の国のアリスや、ポスト・レトロ・ヤッピズムの混合のように感じられましたが、どのように呼ぶべきでしょうか?マキシ・マキシマリズム?

それについては一度も考えたことがありませんでしたが、マキシ・マキシマリズムとは良い新語ですね。混ざり合って生きるテクノロジーや歴史、ポップカルチャー、ユーモアの感覚や想像力に頼った、新しくて予期できない美的感覚である、この超モダンなオペラ調の感覚を良く表現しています。

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