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ニューライフ・ベルリン・フェスティバル 2008

HAPPENINGText: Peta Jenkin

ポウェル・オペラの後、参加型の「イート・ザ・ウォール」という作品をほぼ完成間近だったが見ることができた。街全体が食べ物でできていたら、どうなるだろう?アイスクリームのコーンでできたタワー、リコリスでできた道、郊外はパンのスライスで埋めつくされている、もちろん持ち運びできるほどのサイズだが。そしてそれが作り手によってむさぼるように食べられているのだ。これはAli&Ciaの「イート・ザ・シティ」というプロジェクトの一環で、ベルリンバージョンでは人々は壁をつくるための食べ物でできたレンガを持ってくるよう事前に伝えられ、そして少しずつ「カタルシスを楽しみ、バリアを壊し、相違に橋を掛け、関係をもつ」ために、むさぼり食べるのだという。

僕だったら二つレンガの食べ物を持ってきただろう、派手な色のダンキンドーナツをプラスチックのコンテイナーに入れて、もう一つはヘルシーなオプションとしてオーガニックのバナナチップスでも入れようか。

ニューライフ・ベルリン・フェスティバル
Eat The Wall © Nicola Kuehne

分けられた食べ物と無差別のパレットは売りに出されており、イタリアンソーセージからマシュマロ、そしてちょっと気持ちの悪い見た目のドイツのリバーパテまで様々だ。そんな場所なので、集まる人々も様々で、オーストラリアからの若いバッグパッカーやベルリンの地元の人々、イタリア人も少し見かけ、フェスティバルの常連と共に楽しんでいたようだ。

さて、僕達がしなきゃいけないのは食べる事と飲むこと、アーティスト達は人々に壁のレンガをとるよう呼びかけ、他の人々にも渡して食べてもらうよう促した。80年代後半のベルリンの壁の崩壊の最条令ではないが、代わりに、ヒッピーを意識したような共同の食事のセレモニーのうようで、おなかが減っていれば自然と楽しめるものだ。

このプロジェクトはロンドンとオーストラリアのメルボルンで行われたものをスケールダウンしたバージョンで、地元の人々とコミュニティーグループで少しずつそれぞれの都市を作り上げたものだ。これらの大きなイベントはベルリンでの小規模なものより、さらに反響があっただろうと想像できる。多くの人々が製作に協力し、知覚的なイベントに参加し、アーティストの食のパワーを唱えることに共感できたであろう。

計画的に、参加型の作品の自然な流れとなった。イート・ザ・ウォールのアーティスト達はイート・アートの今までと違った流れで彼らの作品をテストすることができ、これからのこのプロジェクトにいい影響を与えたと思う。

ニューライフ・ベルリン・フェスティバル
© Viviana Druga

今日膨大な量のクリエイティブなコンテントに囲まれ、アートの世界が転換を唱えている中、参加という、直接観客と作り上げる工程を通してとても新鮮なプログラムを発見することができた。なぜかというと、例えば参加者はリアリティー番組の唯一の分野であるべきか?恐怖と感情を表し、上昇志向の富と美の考えのもとの鈍いステートメントに終わるのがほとんどである。「ニューライフ・ベルリン」に参加したアーティスト達はもっと芸術的である。そして彼らはリスクを負う覚悟ができていた。議論の余地があり、リスペクトに欠けていたかもしれないが、僕はもっと見たいという気持ちを押さえ切れていない。

New Life Berlin Festival 2008
会期:2008年6月1日〜15日
会場:ベルリン、ドイツ
https://www.wooloo.org/festival/

Text: Peta Jenkin
Translation: Junko Isogawa
Photos: Courtesy of New Life Berlin Festival © the artists

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