ダニエル・ベラスコ・ロジャーズ

PEOPLEText: Eduard Prats Molner

ダニエル・ベラスコ・ロジャーズ。1966年生まれ。セントラルセントマーチンズ美術大学で基礎を身につけ、ノッティングガムのステージデザインで1986年から1989年まで学ぶ。2001年、イギリスの実験劇場に勤務後、個人が歩んできた道のりや出来事を調査するソロ講演興行を開始。

2003年4月以降、デッサンした地図を展示したり、活動に関しての講演興行をしながら、GPSを持って旅を収集するようになった。2002年、パートナーのソフィア・ニューとプランbを設立し、イギリス、ドイツ、オーストリア、スイス、ベルギーでパフォーマンスや、ギャラリー、ニューメディア、音響などにも取り組んでいる。

ダニエル・ベラスコ・ロジャーズ

手短に、マップメイキングについて教えてもらえますか?

我々がしていることを説明しようとすると、あまり面白みがないんですね。「マップメイキングの日常業務」というウェブサイトを運営しているんですが、どうして更新しているのかと言うと、現在進行中の活動に重点を置きたいからです。地図ってなんだか偉そうなところがあると思うのだけど、私たちの足跡は、日常生活の中で、2人に起こる出来事を綴ったものです。GPSは常に携帯しているし、外出時にはスイッチをオンにします。外出は全て記録し、マップに収集し、印刷するか、動画で、見せるようにします。

ダニエル・ベラスコ・ロジャーズ

いつ、どのようにして始めたのですか?

2003年の4月に始めました。その頃は、友人のマイルズ・チャルクラフトが、マクロラボの実習の一部として、スコットランドでプロジェクトに取り組んでいたのですが、ちょうどそれを手伝い終わった頃ですね。そこにあったんですよ、小型の標準モデルのGPSが。GPSは私がいい加減に始めていたことを自動で修正を行い、全ての訪問場所を書き留めたのです。最初の衝撃は、ベルリンの全ての新しい道路を書き留めたことでした。実際にその道路に出くわした時に、その都市について自分自身が学ぶことができました。都市は結びつけられると考えています。そのことを意識して、孤立した場所を始めて訪れて、結び付けようとするとき、脳細胞が新しいことを吸収する感じになるのです。2007年1月、ソフィアは全ての旅を記録し始めました。我々は娘と一緒に住んでいるだけではなく「プランb」カンパニーとしても一緒に働いています。仕事では、関係の親密さや日常生活の細かい部分を頻繁にやり取りします。そして、一緒にいるときの期間や離れているときの距離を地図作成へとつなげるのは、期待でわくわくします。この作業が、最近スコットランドのアバディーンで参加した「レコーディッド:ランドスケープ&ポリティックスオブニューメディア」の出展へとつながっていくのです。

ダニエル・ベラスコ・ロジャーズ

地図は毎日作っているのですか?

外出しては毎日データを収集しています。展覧会のためにベルリンに居たときには、1ヶ月間、毎日ギャラリーに地図を送りました。日々の旅をA4のPDFファイルで印刷しては壁に貼りました。本当の意味で地図を作成するというのは初めてでした。大抵は2週間毎にデータをダウンロードして、所有している大きな地図をオートCADを使って毎月更新しています。このプログラムを使えば、様々な都市をズームにしたり、月毎に入れ替えて、印刷物を作成することができるのです。

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