サンティアゴ・イーデルソン

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

では、あなたの作品に影響を与えるものは何ですか?

20世紀当初のヨーロッパ、奇妙な機械と産業時代、クラッシックハリウッド映画の完璧な環境、建築物の建造と解体に魅力を感じます。カオスと予測できないことが棲息する、科学的プロセスの失敗のアイディアを取り入れてるんです。「フラワーマシン」でそれを垣間見ることができますよ。そこには、構造の成長、生物的な機械、もしくは研究が失敗した研究者のような豪華なおもちゃの間に、曖昧なリミットが存在しているんです。感情的で予測できないカオスにしのがれた、明白な道理が必ずあります。もしかしたら、それが僕自身の人生を理解するための探求なのかもしれないね。人生というものはとても大いなるもので、その特有のルールがある。全てのものをコントロールする最も大きな試みは、できるだけ華々しく転ぶかだね。

クリップ「トマティン」について教えてください。

サンティアゴの作品を見ていくと、どの作品にも動きを見いだせます。時にそれはパーティーであったり、革命であったりします。なんらかの形で、サンティアゴのキャラクター達は集合的な世界を動き回って、いつも世界、もしくは彼ら自身を変えたいと思っているのです。このよい例の一つが「アクロバティカ」、サンティアゴの初めてのアニメ短編です。この映画は、曲芸団のドミノ達が街で踊り騒ぐというオリジナルのアイディアから、短編映画化するまで、全てサンティアゴによってプロデュースされています。他のパーティー関連の話は、ディスコに行くビクターです。このおもちゃの自身の中には、彼の根性をいれなおすモンスターが棲んでいて、そのためにビクターはパーティー・アニマルと化します。それからは、彼の人生は色とりどりの照明、人々、賑やかなダンスミュージックに囲まれるのです。

サンティアゴ・イーデルソン

これらのおもちゃについて、教えてください。

「パターン」の最初のイメージは、実験に失敗した科学者グループでした。全ては、露出症の科学研究者ビクターから始まっています。他2つのキャラクターはヘクターと、ビクターを羨ましがるアイム・ウィズ・エビル(悪魔と一緒)。これら2つに分かれた生き物たちは、最終的に自分たちが研究していたものに完璧に合体していくのです。ビニール製のおもちゃのような、デザイナー・トイを制作したかったのです。みんなこれをとても気に入っいて、いい反応をもらっています。

あなたの経歴で、もっとも大事な点は何ですか?

大学を出て初めての仕事は、テレビの科学ショー「デジタル・コンスパイラシー」でした。自分で資金を調達して、台本を書いて、このプロジェクトをデザインし監督しました。2つも賞を受賞しました。正しい進路を進んでいるなと思いましたね。なぜなら、この間接的影響が、僕自身の道を探す手助けをしてくれたからです。

サンティアゴ・イーデルソン
Flower Maschine

その次に重要なものは、地下に棲息する、半分生物、半分機械のマシンについての短編映画「フラワー・マシン」の制作です。これは、パリのポンピドゥーセンターでみた彫刻から発想を得ました。この短編映画はおもしろいですよ、2Dアニメから3Dへと変わるのです。「フラワー・マシン」は世界中で成功を遂げています。アメリカ、ニューヨークでのステート・オブ・デザイン「プロマックス&BDA 2007」、マサチューセッツ・ケンブリッジのルーメン・エクリプス・ギャラリー、スペイン・バルセロナでのフエスカ・フィルムフェスティバル、イギリス・ロンドンのワンドットゼロなどで上映しました。

まだしていないことで、何がしたいですか?

ぜひ長編映画を作りたいです。あとは、テーマに沿ったいくつかのシリーズ短編映画も。今年のプロジェクトは、僕の作品を広げたい世界中の場所への旅が関係してきます。

サンティアゴは、まるで両手いっぱいに色とりどりのキャンディーを抱えているかのように笑う。もしくは、ピンク色のロボットとの大戦をひかえる小さなプリンス、または、つみあげられるのを今かと待っている花のように。これら全てのものが、彼の中でパーティーをしていて、夜にだけ静かになる…。サンティアゴと、彼の内なる子どもがベッドルームへと行き、ドアを閉め、「おやすみ」と手をふった時に。そして、夢の機械が動き出す…。

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Fumi Nakamura
Photos: Courtesy of Santiago Idelson

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葛西由香
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