DAF東京 2004
HAPPENINGText: Yuki Ishida
夏休みでにぎわうお台場に程近い、有明のパナソニックセンターにて、NHK BSで放送中の番組「デジタル・スタジアム」によるデジタルアートのお祭り「デジタル・アート・フェスティバル東京 2004」(DAF東京)が開催された。
デジタルアートと言っても、実はこれまであまりピンとこなかった。メディアアートなんて言い換えてしまうとなおさら。でも、インタラクティブ・アートやムービー、ウェブ作品などなど、つまりは「コンピュータ技術を使って作られた作品」というだけのことだから、その表現手段は様々で、意外とフレンドリー。なにも小難しかったり、画面の中で完結してるものばかりではないのだ。
特におもしろかったのは、いろんなアイディアに彩られた「ガジェット」たち(DAF東京の中で「東京ガジェット展」を開催)。ガジェットとは「小さな機械装置・おもちゃ」とかそういう意味だけど、一見なんだかよくわからない作品も多い。でも、勇気を出して手を延ばしてみると、思いがけない感動に出会ったりする(大袈裟かな)。でも、そもそも「おもちゃ」というのは、そういう魅力を持つものだと思う。単なる「モノ」としてのおもしろさだけじゃなくて、その背後にある世界観とか、実際に触ってみて発想するなにかとか、そういうものが伴うからおもしろい(そういう意味では○ケモンカードも積み木も同じかな)。
ここで紹介するガジェットたちも、アニメキャラを模っているわけでもなく、実は高度な技術を搭載していたりもするけれど、それを感じさせないようなポップなデザインと小さな喜びを感じさせるアイディアが、手にとった人をひきつける。
なにはともあれ、いくつか作品を紹介してみよう。
まずは、フランコベルジ・デザインの作品「COMMOTION」。「ブ〜ン、ブ〜ン」(※じゃなくてもいい)というプレイヤーの声で動かすミニチュアカーレースのおもちゃで、コースアウトするとヘルメットが激しく震動する。声の大きさでスピードを調整するので、ループの部分はかなりの大声を出さないとクリアできない難関だ。大人はちょっと恥ずかしい(かも)。
この作品は、イベント直前に放映されたデジタル・スタジアムで、デバイスアーティスト、クワクボリョウタの高い評価を得ている。が、当初はヘルメットが重く、こどもが遊ぶには危険(?)との判断から、イベント前に軽量化され、今のカタチになったというエピソードも。ちなみにこの新しいヘルメット、「カリメロに似てる」と本人たちもお気に入りの様子(※実はカリメロはイタリア生まれのキャラクターでヨーロッパでは有名!)。
会場では、常時子どもたちの叫び声が会場に響き渡り、2人も「それが一番重要なことだし、うれしかった」とこのイベントを振り返る。彼らは、 スイス州立ローザンヌ美術大学(ECAL)の学生、アレクサンドル・アーモンとブラム・ダウからなる、注目のクリエイティブユニットだ。
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