サンティアゴ・イーデルソン
PEOPLEText: Gisella Lifchitz
内なる子供と共存している人々がいる。毎朝、一緒に目覚め、一緒に朝食をとり、一日中共に過ごす。子供のパートが先導し、大人のパートと周りの世界が残りの役目をする。サンティアゴ・イーデルソンは、そんな一人である。
Photo: Natalia Rolon Sotelo
子供の時、何になりたかったですか?
消防士か、自転車でのアイスクリーム売りになりたかったです。とても好奇心旺盛な子どもでした。音楽、おもちゃ、コンピューターが好きで、友達とホラーの短編映画を作ったりしていました。今の僕の作品は、僕の好きなものが全部混ざったものなのです。今やっていることは、子どもの時脳裏にあったものとすごく似ています。
Acrovatika
踊るドミノから、3Dの花、いつも失敗ばかりの科学研究者の家族、精神分裂病のおもちゃたち、ボール一杯の手紙、キャンディでできたハートまで、サンティアゴはアイディアを生む機械のようだ。体、心臓、精神が、一日24時間いろんなアイディアを生み出し、それをプロセスするために一身を捧げる。
彼の職業は何かと尋ねると、彼はオーディオビジュアル作品のディレクターだと答える。『撮影するのが好きだし、描くのも好きです。そして、モーショングラフィック作品の様々な面を監督したり、俳優の短編フィルムを監督するのも好きなんです。僕が僕らしくなれる、ある一定の芸術性を仕事の対象として、それを表すのに選んだフォーマットを通していきます。』とサンティアゴは明かす。
『ドラマ、音楽、テレビ放送を学んで、テレビ放送デザインの仕事をしました。いつも映画や音楽から影響をうけます。映画や音楽の中に、僕をいち観客として感動させるものを見つけ、またそれらに僕が伝えたいものの一部として自分をつなげるのです。』と彼は言う。『この5年間、モーショングラフィックと映画を専門とし、またデザイントイのラインも製作するスタジオ「パターン」を創りあげました。僕はディレクターでありつつ、以前は無関係だった作業も組み合わせることができます。』と彼は付け加える。
Scientifik Familie
自分自身の作品の、何を楽しんでいますか?
最も楽しいのは、自分の作品を通して自分自身を見ることです。始めから終わりまで、オーディオビジュアル作品を手がけるのが好きです。このよい例が「サイエンティフィック・ファミリー」、研究者の家族が、現代知識の限界を研究する短編映画です。この作品は最終的に、当初脳裏にあったものにとても近い芸術的アプローチとなりました。イメージを浮かばせる音楽を聞きました。そこには配役があって、どこか不思議で、理解を越えた、あたたかくも、むさくるしい環境の中、ヨーロッパの科学研究者家族の全体宇宙を創り上げました。これは視覚で体験するものです。各要素が、ある点で一点に集まり、それぞれのルールにしたがって、宇宙の原因となっていく。これは僕にとって、とても刺激的なことなのです。まるで、全ての楽器が、想像通りの音を出すオーケストラみたいにね。
Scientifik Familie
では、それがお気に入りの作品ですね?
とても気に入っています。でも、本当に好きなのは、その目新しさなのです。僕の中にあるものを、映画や絵に置き換える時、子どもを産んだような気分になるのですよ。理屈ではないです。作品が個人的なものである時、その素となるもは、素朴で、遊び甲斐あって、無意識的です。僕の中にある、アイディアの火山のようなものです。
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