サンティアゴ・イーデルソン

PEOPLE

内なる子供と共存している人々がいる。毎朝、一緒に目覚め、一緒に朝食をとり、一日中共に過ごす。子供のパートが先導し、大人のパートと周りの世界が残りの役目をする。サンティアゴ・イーデルソンは、そんな一人である。

サンティアゴ・イーデルソンSantiago Idelson

子供の時、何になりたかったですか?


消防士か、自転車でのアイスクリーム売りになりたかったです。とても好奇心旺盛な子どもでした。音楽、おもちゃ、コンピューターが好きで、友達とホラーの短編映画を作ったりしていました。今の僕の作品は、僕の好きなものが全部混ざったものなのです。今やっていることは、子どもの時脳裏にあったものとすごく似ています。

サンティアゴ・イーデルソン
Acrovatika

踊るドミノから、3Dの花、いつも失敗ばかりの科学研究者の家族、精神分裂病のおもちゃたち、ボール一杯の手紙、キャンディでできたハートまで、サンティアゴはアイデアを生む機械のようだ。体、心臓、精神が、一日24時間いろんなアイデアを生み出し、それをプロセスするために一身を捧げる。

彼の職業は何かと尋ねると、彼はオーディオビジュアル作品のディレクターだと答える。『撮影するのが好きだし、描くのも好きです。そして、モーショングラフィック作品の様々な面を監督したり、俳優の短編フィルムを監督するのも好きなんです。僕が僕らしくなれる、ある一定の芸術性を仕事の対象として、それを表すのに選んだフォーマットを通していきます。』とサンティアゴは明かす。

『ドラマ、音楽、テレビ放送を学んで、テレビ放送デザインの仕事をしました。いつも映画や音楽から影響をうけます。映画や音楽の中に、僕をいち観客として感動させるものを見つけ、またそれらに僕が伝えたいものの一部として自分をつなげるのです。』と彼は言う。『この5年間、モーショングラフィックと映画を専門とし、またデザイントイのラインも製作するスタジオ「パターン」を創りあげました。僕はディレクターでありつつ、以前は無関係だった作業も組み合わせることができます。』と彼は付け加える。

サンティアゴ・イーデルソン
Scientifik Familie

自分自身の作品の、何を楽しんでいますか?

最も楽しいのは、自分の作品を通して自分自身を見ることです。始めから終わりまで、オーディオビジュアル作品を手がけるのが好きです。このよい例が「サイエンティフィック・ファミリー」、研究者の家族が、現代知識の限界を研究する短編映画です。この作品は最終的に、当初脳裏にあったものにとても近い芸術的アプローチとなりました。イメージを浮かばせる音楽を聞きました。そこには配役があって、どこか不思議で、理解を越えた、あたたかくも、むさくるしい環境の中、ヨーロッパの科学研究者家族の全体宇宙を創り上げました。これは視覚で体験するものです。各要素が、ある点で一点に集まり、それぞれのルールにしたがって、宇宙の原因となっていく。これは僕にとって、とても刺激的なことなのです。まるで、すべての楽器が、想像通りの音を出すオーケストラみたいにね。

サンティアゴ・イーデルソン
Scientifik Familie

では、それがお気に入りの作品ですね?

とても気に入っています。でも、本当に好きなのは、その目新しさなのです。僕の中にあるものを、映画や絵に置き換える時、子どもを産んだような気分になるのですよ。理屈ではないです。作品が個人的なものである時、その素となるもは、素朴で、遊び甲斐あって、無意識的です。僕の中にある、アイデアの火山のようなものです。

では、あなたの作品に影響を与えるものは何ですか?

20世紀当初のヨーロッパ、奇妙な機械と産業時代、クラッシックハリウッド映画の完璧な環境、建築物の建造と解体に魅力を感じます。カオスと予測できないことが棲息する、科学的プロセスの失敗のアイデアを取り入れてるんです。「フラワーマシン」でそれを垣間見ることができますよ。そこには、構造の成長、生物的な機械、もしくは研究が失敗した研究者のような豪華なおもちゃの間に、曖昧なリミットが存在しているんです。感情的で予測できないカオスにしのがれた、明白な道理が必ずあります。もしかしたら、それが僕自身の人生を理解するための探求なのかもしれないね。人生というものはとても大いなるもので、その特有のルールがある。すべてのものをコントロールする最も大きな試みは、できるだけ華々しく転ぶかだね。

クリップ「トマティン」について教えてください。

サンティアゴの作品を見ていくと、どの作品にも動きを見いだせます。時にそれはパーティーであったり、革命であったりします。なんらかの形で、サンティアゴのキャラクター達は集合的な世界を動き回って、いつも世界、もしくは彼ら自身を変えたいと思っているのです。このよい例の一つが「アクロバティカ」、サンティアゴの初めてのアニメ短編です。この映画は、曲芸団のドミノ達が街で踊り騒ぐというオリジナルのアイデアから、短編映画化するまで、すべてサンティアゴによってプロデュースされています。他のパーティー関連の話は、ディスコに行くビクターです。このおもちゃの自身の中には、彼の根性をいれなおすモンスターが棲んでいて、そのためにビクターはパーティー・アニマルと化します。それからは、彼の人生は色とりどりの照明、人々、賑やかなダンスミュージックに囲まれるのです。

サンティアゴ・イーデルソン

これらのおもちゃについて、教えてください。

「パターン」の最初のイメージは、実験に失敗した科学者グループでした。すべては、露出症の科学研究者ビクターから始まっています。他2つのキャラクターはヘクターと、ビクターを羨ましがるアイム・ウィズ・エビル(悪魔と一緒)。これら2つに分かれた生き物たちは、最終的に自分たちが研究していたものに完璧に合体していくのです。ビニール製のおもちゃのような、デザイナー・トイを制作したかったのです。みんなこれをとても気に入っいて、いい反応をもらっています。

あなたの経歴で、もっとも大事な点は何ですか?

大学を出て初めての仕事は、テレビの科学ショー「デジタル・コンスパイラシー」でした。自分で資金を調達して、台本を書いて、このプロジェクトをデザインし監督しました。2つも賞を受賞しました。正しい進路を進んでいるなと思いましたね。なぜなら、この間接的影響が、僕自身の道を探す手助けをしてくれたからです。

サンティアゴ・イーデルソン
Flower Maschine

その次に重要なものは、地下に棲息する、半分生物、半分機械のマシンについての短編映画「フラワー・マシン」の制作です。これは、パリのポンピドゥーセンターでみた彫刻から発想を得ました。この短編映画はおもしろいですよ、2Dアニメから3Dへと変わるのです。「フラワー・マシン」は世界中で成功を遂げています。「スタッシュ」や「ボーズ」にも掲載されました。アメリカ、ニューヨークでのステート・オブ・デザイン「プロマックス&BDA 2007」、マサチューセッツ・ケンブリッジの「ルーメン・エクリプス・ギャラリー」、スペイン・バルセロナでの「フエスカ・フィルムフェスティバル」、イギリス・ロンドンの「Wow+Flutter」「ワンドットゼロ07」などで上映しました。

まだしていないことで、何がしたいですか?

ぜひ長編映画を作りたいです。あとは、テーマに沿ったいくつかのシリーズ短編映画も。今年のプロジェクトは、僕の作品を広げたい世界中の場所への旅が関係してきます。

サンティアゴは、まるで両手いっぱいに色とりどりのキャンディーを抱えているかのように笑う。もしくは、ピンク色のロボットとの大戦をひかえる小さなプリンス、または、つみあげられるのを今かと待っている花のように。これらすべてのものが、彼の中でパーティーをしていて、夜にだけ静かになる…。サンティアゴと、彼の内なる子どもがベッドルームへと行き、ドアを閉め、「おやすみ」と手をふった時に。そして、夢の機械が動き出す…。

Santiago Idelson
www.pattern.tv
www.flickr.com/santidelson

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Fumi Nakamura
Photos: Natalia Rolon Sotelo

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