プリマベーラ・クラブ 07
「プリマベーラ・サウンド」フェスティバルの弟分が、二回目の開催を迎えるまでに成長した。プリマベーラ・サウンドが、インディペンデントでオルタナティブなロックシーンの人気バンドを持ち込む確立したカルトフェスティバルであるのに対して、この「エストレージャ・ダム・プリマベーラ・クラブ」は最新でアンダーグラウンドに深く入り組んだ傾向を持っているようだ。
Deerhunter
今回のラインナップは、30以上のアーティストを紹介し、最新バンドとベテラン勢がステージを共有した。プリマベーラ・クラブは会場のフォーラム・オーディトリ、アポロ、アポロ2での、3日間に渡るコンサートで観客を驚愕させる。
期待の新人たちのラインナップと共に、エクスペリメンタルロックの父で「ソニック・ユース」のリーダー、サーストン・ムーアの新しいソロ作品のライブを聞く機会に恵まれた。ソニック・ユースのメンバーで形成されたバンドや、「ノー・ネック・ブルース・バンド」「ソノラ・パイン」といったバンドからのミュージシャンと共に(ドラムスはスティーヴ・シェリー)新曲「ツリー・アウトサイド・ザ・アカデミー」を披露する。
ディラン・カールソンがリードを務めるパワフルなバンド「アース」は新しくリリースされた「サザン・ロード」を発表した。
NO AGE
最も注目に値するコンサートの1つが、アポロ2で行われた「ノー・エイジ」のものだ。LA出身のこのバンドは、素晴らしいコンサート会場であり、アートギャラリー、コミュニティーセンターの「スメル」を提案。ノー・エイジは10周年を迎えるスメル祝ってライブを行う。
D・スパントとR・ランドールによるこのLAデュオは、パワフルな「ウィアード・リッパーズ」を独特のライブにのせて。バンドメンバーが皆をステージ(アポロ2の小さなステージだが)に飛び乗らせるというピークに達するまで、ノイズやエネルギーは伝染した。最後の曲では、観客の一人がギターを弾いた。今回のプリマベーラ・クラブでも最高のショーだ。
Fanfarlo
「ファンファルロ」も「ノー・エイジ」と同じ日の少し前に演奏をしたが、このバンドもそれほど違わなかった。このUKバンドはサイモンの魅力的な声がリードし、爆発とも言える場所を満たした洗練されたコンサートで、優雅なフォークポップを発表する。
最も期待されたコンサートの1つが「ディアハンター」のもの。6年以上活動を続けてきたアトランタのバンドが、このプリマベーラ・クラブのライブのあと、休憩に入るという告知と共に。
彼らのコンサートは完べきな「See you later(また会いましょう)」コンサートになり(すぐに戻ってくると期待している)、素晴らしい「クリプトグラム」と「ターン・イット・アップ・ファゴット」を披露した。
最後の日、パーフェクトな結末は、すべての新人バンドに最も大きい影響となった。ソニック・ユースのサーストン・ムーアが、再び今度はアコースティックギターと共に登場し、「ツリー・アウトサイド・ザ・アカデミー」を披露した。コンサートは楽しく、サーストンがそのままで偉大なミュージシャンであることを改めて示すのだった。
Thruston Moore
プリマベーラ・クラブは、2、3日中に起こった驚くべき才能のミックスであった。フェスティバルには他にも、ニュー・ポルノグラファーズ、ビショップ・アレン、ジ・エティーズ、クリスタル・カースルズ、ライアーズ、ザ・ポニーズなどが登場していた。
フェスティバルの終わりには、来年のプリマベーラ・サウンドのアーティストの一次発表が行われた。クリプス、オッカービルリバー、マン・マン、モデル500。そう、フェスティバルの終わりを悲しんでる時間はない。1つの終わりが、次の開催の始まりなのである。
そこでまた会いましょう!
Primavera Club 07
会期:2007年12月4〜8日
会場:Auditori Forum, Sala Apolo, Apolo[2] in Barcelona
Text and Photos: Julio Cesar Palacio from Panopttic
Translation: Yurie Hatano