DOTMOV 2006 レポート

HAPPENINGText: Yurie Hatano

未知なる才能を持ったクリエイター発掘と作品紹介の機会の創出を目的に、2003年の初開催以来、毎年11月に行われているSHIFT主催のデジタル・フィルム・フェスティバル「DOTMOV」。世界中から実験的な映像作品を募集し、SHIFT及びゲスト審査員により選出された優秀作品を上映、期間中には関連イベントも多数開催!という年に1度の映像フェスティバルが、2006年も新しい展開を見せた。同時上映会場となったのは、札幌SOSOせんだいメディアテーク、大阪digmeout。SOSOでは例年通り、関連オーディオ&ビジュアルイベントと共に最も活気づくイベント月を迎えた。

今年7月に開始した一般作品公募には、世界27カ国から267作品の応募があった。デジタル技術の進歩と普及によってクリエイターの表現がますます豊かに実現しやすくなっていることは他のどの分野にも言われていることだが、DOTMOVに集まる映像作品の質も例外なく、年々向上していることは明らかだ。

過去のDOTMOVにてトークショーなども行っている、デジタル映像・デザイン界の第一線で活躍するゲスト審査員(デザイナーズ・リパブリックモーション・セオリーヨシ・ソデオカ/C505大橋二郎(SAL magazine) シュガー・キューブフォーク)により上記タイトルを含む優秀24作品を選出。その他1分間のスローモーション実験映像作品集「SLOMO VIDEO」や、クリエイティブプロダクションWOWによる「Motion Texture DVD」、韓国ソウルの「New Media Festival in Seoul」との交換プログラム、札幌発現代アートのフロントライン展「FIX・MIX・MAX!」の特別プログラムが特別上映され、またSOSOとせんだいメディアテークではインタラクティブ作品「Code」も展示された。優秀24作品に至っては、会場だけではなくウェブ上でも公開されている。

SHIFTプロデュースのギャラリーカフェSOSOでは、大壁を2面使い、常に2種類の作品が上映され続けるという形で1ヶ月間の上映が行われた。それぞれが思い思いの時間を過ごす通常のカフェ空間の中、無線ヘッドホンをすると高品質の音と共に作品に入り込めるという仕組み。ヘッドホンをしたまま空間を移動すると、上映場所によって音が切り替わる。入場自体は無料のため、続きを見に何度も足を運ぶ人には、時にその人に合わせた上映をすることも。臨機応変なスタンスは、例年同様である。

11月10日、今年のDOTMOVイベントの幕開けとなったのは、DOTMOV特別プログラムにて上映されていた「FIX MIX MAX!」のオープニングパーティ。現代アートのフロントライン展として北海道立近代美術館にて大盛況を呈した「FIX MIX MAX !」は、札幌から発信する現代アートの集合展である他、『札幌をアートで楽しくしよう!』という想いを実現するプロジェクトとしての側面も併せ持ち、多くの関連イベントを展開している。

オープニングパーティでは、「FIX MIX MAX !」展覧会の参加アーティスト、伊藤隆介、端聡の作品やインタビューが上映された他、出展アーティスト、祭太郎のパフォーマンス、Beatimage(Katsuya Ishida)大黒淳一によるオーディオビジュアルパフォーマンスが行われた。札幌発信のアートシーンに吹かせる新しい風という共通の想いが映像を通して共鳴する。

11月11日、札幌在住のエレクトロニックミュージック・アーティスト、インヴィジブル・フューチャーが、過去のDOTMOVにてもお馴染みの音と映像のサンプリング・ハンター、ニッポニアを招聘し、音と映像の一夜「HD」が繰り広げられた。

「YouTUBE」「Sketch Pad」もこれに参戦。

札幌が待ちわびるニッポニアは、日本独特の公共映像素材をミックス、コラージュし、軽快なビートとスクラッチで会場を笑いの渦に包む。まるで教育ビデオを上映する教室のように、バラバラにいた来場者は椅子を並べて集まり、スクリーンとブースに集中した。作品の完成度に加え、本人のパフォーマンス力がさすが。

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