「FIX・MIX・MAX!」現代アートのフロントライン(最前線)
ここ数年札幌は11月にアートの催しが集開催されることが多い。アートに興味があって、札幌に訪れようという人は、このシーズンを狙ってみるのもいいだろう。地元のアートを楽しんだり、作家と交流できる機会が多いからである。
今年11月に開催された現代美術の展示会「FIX・MIX・MAX!」(現代アートのフロントライン[最前線] )を紹介しよう。本展示会は道外のアーティストを招きながらも、あくまで札幌の作家を中心に紹介されている。展示をプロデュースする実行委員会のスタッフも札幌のギャラリーが中心となっていて地元主催の展示会だといえる。会場は北海道立近代美術館。市内中心部では最大規模の展示スペースを持つギャラリーである。気になった作品を5点ほどピックアップしてレポートしていきたいと思う。
今村育子「わたしのおうち」
まず入口が変わっている。通常オープンなっているところがドアが付けられている。これは実は一番最初の展示作品、今村育子「わたしのおうち」の一部なのだ。来場者の中には「まだ工事中ですか?」と聞かれることもあるそうだ。
チョーク・ビアー「ALARMARAMA」
進んでいくと通常の展示空間に出る。ひとつの壁面の全面を使ったチョーク・ビアー「ALARMARAMA」がある。プラスチックシートを使った平面作品。人口的に作られたジャングルといった感じの迫力ある作品である。
伊藤隆介「Realistic Virtuality (Funhouse)」
伊藤隆介「Realistic Virtuality (Funhouse)」は、スクリーンに崩壊した街の様子の映像が投射されている。映像はゆっくり横に移動している。これは単なる映像作品ではなく、スクリーンの正面に廃虚の街の小さなセットがあり、これを動く小型カメラで撮影したものがリアルタイムに映像になって映し出されているのだ。セットの現物をみると模型だと分かるが、カメラを通した映像は異様にリアル。世界の終焉を感じさせるような作品であった。
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