「101.3 KM」展

HAPPENINGText: Emanuelis Ryklys

ビリニュス現代アートセンターが主催する「101.3 KM」は、リトアニアの現代アートを振り返る10年の展覧会シリーズの最新のものだ。2006年の展覧会タイトル「101.3 KM」は、ビリニュスとカナウスの共同施設間における距離、そしてメインテーマを表現している。

展覧会はビリニュスとカナウスの3つの会場(ビリニュスCAC、カウナスピクチャーギャラリー、メノ・パーカス・ギャラリー)及び両都市の公共スペースで同時に開催される。両都市から50以上ものアーティストが展覧会に参加。イメージやステレオタイプの問題をなげかけながら、その都市が持つ文化を踏まえて沢山の作品が取り組まれた。


Egle and Romualdas Rakauska (Vilnius)

「コンペティション」の本質に基づいて、カナウスのアーティストのプロジェクトがビリニュスで紹介され、ビリニュスのプロジェクトがカナウスで紹介される。両都市が、異なった特色のあるアートの伝統を持つためである。様々なメディアで活躍している様々な世代のアーティストを集め、「101.3 KM」が探し求めているものは、予測できない関係、考え方の矛盾、そして挑発であり、また新しい形の「コンペティション」と「コーポレーション」を見つけ出すことだ。

ビリニュス唯一の展覧会に行く機会があったので、ここにとても価値あると自分が思うコメントを書こう。もちろん、個人的意見ではあるが。


“Night Shift”, Zilvinas Landzbergas (Kaunas)

最初に気に入った作品は、カウナス出身アーティスト、ジルヴィナス・ランズバーガスの作品「ナイト・シフト」だ。とても小さいが、かなり細かい部分まで作りこまれており、60年代もしくは70年代に存在したお店の建築モデル。現在の高速建築フィーバーを映し出しているようだ。社会的・経済的変化が分かる建物の目的、ロケーション、幅広いスタイルとデコレーション。繊細に見えるが、強烈なインパクトがある。


“For Vencian Lover”, Loreta Svaikauskiene (Kaunas)

続いてのとてもミニマルな作品は、カウナスのアーティスト、ロレタ・スヴァイカウスキーンによるもの。彼女のプロジェクト「インターベーション」の中から、「フォー・ヴェネチアン・ラバー」という作品。メインにあるクリエイティビティーの目的は皮肉、シミュレーション、言い換えである、とロレタは言う。彼女は作品に異なるファブリックを使い、リメイクとバーチャルリアリティの今日のカルチャーをシミュレートすることに役立てている。

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