サマーケース 2006

HAPPENING


スペインに新しいミュージッックフェスティバルが誕生した!

ソナー」や「プリマベレラサウンド」と同じ月に、それ以上の人が別のイベントに集まるなんて信じられなかった。

しかし「サマーケース」は他の二つ以上の集客によってそれを証明してみせた。バロセロナのパーク・デル・フォラムとマドリードのボアディージャ・デル・モンテで開催されたサマーケースに、50,000人以上が集まった。

第1回目の開催となる今年は、ベル・アンド・セバスチャン、ニュー・オーダー、ダフト・パンク、シガー・ロス、マッシブ・アタック、プライマル・スクリーム、ディバイン・コメディ、ルーファス ・ ウェインライトのような大御所アーティストやカルトバンドなど、有名どころが名を連ねる一大フェスティバルとしてスタートした。

アーティストたちは金曜にマドリードで、土曜にバロセロナで、交互にライブを行った。

初日(金曜)はフォーラムで、アーティストたちは、バロセロナとマドリードのアエロプエルト便の飛行ルートでもある「ターミナルズ」と呼ばれる海のちょうど正面に、空港より許可を得て設置された4つのステージでライブを行った。

初日はあまりよいとは言えないスタートをきった。シャウト・アウト・ラウズやダーティ・プリティ・シングスなどのバンドの演奏を聞いているとき、スコットランド出身カルトバンド、ベル・アンド・セバスチャン心待ちにしていた観客たちの話し声が聞こえていた。

午後10時をまわり、スチュアート・マードックが登場、ここでやっと注意がステージに向けられた。ファンタスティックなニューアルバム「A LIFE PURSUIT」とともに現れたのはベル・アンド・セバスチャン。彼らのライブは、他に類をみないほど感情的で強烈だった。ステージ中、マードックが観客側から招いた三人の女の子が、ステージ上で踊りだし、彼自身もそれに続くように最前列の金網の上で、踊りだした。

最新アルバムからの、「アナザー・サニーデイ」、「スーキーという名の女の子」、「僕らはスリーピーヘッズ」、「ジュディー・アンド・ザ・ドリーム・オブ・ホース」など会場が一つとなって歌った。

サマーケースのベル・アンド・セバスチャンによるコンサートはずっと心に残るものになった。

その後、ビッグテント(ターミナル S)では、少し遅れてアイスランドを代表するバンド、シガー・ロスがパワフルでプログレッシブで幻想的なメロディーとともに観客の前に登場。彼らのステージはいつもながら激しく神秘的だった。この緊張感、充足感、興奮状態、閉所恐怖症、幸せ、その他の多くの感情が同時に、シガー・ロスのステージで混ざり合い、ただその世界にすいこまれそうになるばかりだった。

息がつけない程のエモーショナルに駆け抜けた前半を終え、90年代ミュージックの時間になると、「DAFT PANK」がL.E.D.Sピラミッドのてっぺんに登場。マヌエルとトーマスがロボットマスクをつけてあらわれた場所だ。確実に、フェスティバル全体のベスト映像であった。ただ画像やライトを聴き、「アラウンド・ザ・ワールド」のクラシックなダンスしているだけですばらしかった。

「マッシブ・アタック」がトリップホップや世俗的なエレクトロに、グルーブダブやヒップホップのミックスサンプルを加え、リラックスした素晴らしいステージを披露する。

ダンスタイムに続き、別のステージは、ファット・ボーイ・スリム、ジェームス・マーフィ(LCDサウンドシステム)、アマーブレに引き継がれた。

二日目の午後9時、ターミナルEステージでは、このフェスティバル全体で最もすばらしいステージが繰り広げられた。ディバイン・コメディが登場し、最新アルバム「ヴィクトリー・フォー・ザ・コミック・ミューズ」を披露した。バンドを率いるニール・ハノンは彼の魅力が余すところなくステージいっぱいに広がった。「アブセント・フレンズ」や「カサノヴァ」に収録されている新曲から名曲までが演奏された。会場は完全に一つになった。そして彼は演劇的なサウンドとダンディな雰囲気で観客を魅了した。本当にすばらしいショーだった。

ハッピー・マンデイズが60年代のサイケデリックと70年代のファンクに少しのダンス要素を加えたステージを披露した。ところがそれは期待を反するものに終わり、ニュー・オーダーが登場した。しかし彼らの伝説をも壊してしまうようなつまらないショーにがっかりした。「ブルー・マンデー」や「ビザー・ラブ・トライアングル」などの名曲を披露し、すばらしいステージを用意しようとしていたが、それらはうぬぼれにしかみえなかった。

そのとき別のステージでは、表現豊かなソングライター、ルーファス・ウェインライトがピアノに座って演奏していた。ときどき彼の姉妹がコーラスに参加していた。アーティストがバンドなしのソロで演奏し、声と楽器のみでうめつくされたステージは最高だ。

キーン、プライマル・スクリーム、ロング・ブロンズ、ケミカル・ブラザーズのDJプレイは午前6時まで続いた。

この新たに誕生したフェスティバルをなんて表現したらよいだろう。ただ、第1回サマーケースはすでに一流であることは確かだ。もう来年が待ち遠しくて仕方ない。


Summercase

会期:2006年7月14〜15日
会場:Parc Forum (Barcelona) – Boadilla del Norte (Madrid)
www.summercase.com

Text and photos: Julio Cesar Palacio from Panopttic
Translation: Miwako Nakazawa

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