ヨーコランド

PEOPLE

2月にゲシュタルテン出版社より作品集をリリースしたノルウェーの若手デザインチーム 「ヨーコランド」。16歳より共同で作品を作り続けるアスラク・ガーホルト・ロンゼンとエスペン・フライベルクの2人組からなる「ヨーコランド」は、上品なユーモアを交えた、北欧らしいアナログ感たっぷりの暖かみあるデザインで、分野にとらわれず、ドローイングや写真など様々なマテリアル要素を用いた独創的な世界をつくりあげる。


まず初めに、自己紹介をお願いします。

ヨーコランドは、アスラク・ガーホルト・ロンゼンとエスペン・フライベルクの2人からなる小さなデザイン・スタジオです。私たち二人はノルウェーのオスロ国立芸術アカデミーで、ビジュアル・コミュニケーションの学士課程を終わらせたばかりです。最後の4・5年のときは小さな(そしてときには大きな)プロジェクトに一緒に取り組んでいました。私たちは頭を柔らかくしようとし、そして自分たちが取りかかっている分野の境界線についてはあまり考えないようにしていました。私たちのプロジェクトは、ときにはコンセプチュアルであり、ときには芸術的であり、そしてときにはデザイン、イラストレーション、写真、ドローイングや映像に関するもので、また、デザインよりはファインアートに近いものであることもありました。この期間、私たちは可能なかぎり楽しもうとし、そしてやりながら学ぼうとしました。

2人はどのようにして出会ったのですか?

私たちはお互いにオスロの郊外の近いところで育ちました。16歳のときに、同じ高校に入学しました。これが確か1997年頃のことですね。私たちは3年間同じ美術のクラスにいて、最後の年に、より密接に動き始めたのです。それから1年後、卒業してから(ちょうど私たちがデザインの教育を受ける前)、デザインやアートの共同活動のようなことを始めることにしたのです。それはプロのデザイン・スタジオのようなものではなく、ただ活動するための名目だったのですが。

ヨーコランドという名前は日本の女の子の名前に由来していると聞きましたが。

私たちは、二人以上で活動している他の全てのデザイン・スタジオのように、ただ自分たちの名前を使う代わりに、私たちの共同活動のための名前をもった方が素晴らしいだろうと思ったのです。結局、「ヨーコランド」にしようかな、と決めました。それはおとぎ話から取られたような遠い国の詩のようでした。私たちは「ヨーコであるが、オノではない」というスローガンを作りさえもしました。その後に、アスラクの新しいクラスにヨーコという日本人の女の子がいました。結局のところ、その名前に意味はあるのかと尋ねたところ、彼女はないと言いました。全くもってばかなことで、ただの普通の日本人の女の子の名前だとも。それは「アンランド」(もちろん英語です)と呼ぶようなことだったのです。

最近どのような仕事やプロジェクトに時間を費やしていますか?

今は自分たちの新しいスタジオを作るのにほとんどの時間を使っています。より早く家で仕事をするなら、結局のところ仕事をする上でしっかりした場所を見つけた方が良いでしょう。くわえて、私たち自分たちのミュージック・レーベルの「メトロノミコン・オーディオ」のために4、5枚のレコードのジャケットデザインをしており、そして数店の店のショーウィンドウのデザインをやっています。できれば、すぐに自分たちの新しいウェブサイトを作る時間をとりたいです。

最近、ゲシュタルテン出版社からリリースされた作品集「ヨーコランド」について教えてもらえますか?

この本は、私たちが初めて出会ってから今日まで、どのようにやってきたか、ということに関するものです。その本の中ではここ2、3年の会心作や、それらに関する話がいくらか載っています。私たちの作品のうち、かなりの部分は自分たち自身のレーベルであるメトロノミコン・オーディオのためのものなので、本の大部分はもちろんそれに関するものです。しかしとりわけ、この本は「どのようにして他の人たちにインスパイアされたか、またどのようにして再び他の人たちをインスパイアできるだろうか」という、インスピレーションに関するものなのです。

あなた方の作品には写真、ドローイングといった様々な手段が見られますね。デザインにおける哲学は何ですか?

おっと、それは大きな(そして大変な)質問ですね。きっと、私たちには1つだけのこだわりというものはないでしょう。私たちをインスパイアし、私たちが作中に含ませようとする、非常にたくさんのものがあります。そして、それら全てが、みなさんがすぐに発見できるインスピレーションを与えるものの明らかな源であるとは限りません。しかし、異なったやり方で自分たちを表現しようとしていますし、多用なソリューションで訴えようともしています。1つ、他のほとんどのグラフィック・デザインと比較して私たちの作品が非常に異なる点は、他のグラフィック・デザインは、ものごとを「簡単に」、全てを「分かりやすく」しようとするもので、それゆえに多くの人がその伝えんとするところを了解する、ということです。しかし大体の場合、私たちはものごとをより複雑にしています。というわけで、私たちは問題解決者ではなく、問題作成者なんです!

影響を受けたアーティスト、またはものはありますか?

完全なリストを作るには大変なほど、たくさんあります。しかしいくつかは、おそらく多少大きなものです。10代のときに見つけた多くのものが、デザインとアートにおける私たちの視点に大きく影響をおよぼしています。

1:広範囲に渡る様々な音楽(古いもの、新しいもの、そしてありとあらゆるジャンルの)。
2:ノルウェーのデザイナー、イラストレーター、アーティスト、映画制作者、そしてミュージシャンであるキム・ヨーソイ。彼が非常に(多くの)様々なことをしたという事実は、私たちに何かしら感動を与え、そして同じようにやることが可能であると思わせてくれるのです。彼は私たちにとって、偉大なるインスピレーションの源でした。そして今もなお、そうなのです。
3:イギリスのデザイン会社「イントロ」の最初の2冊の作品集「サンプラー」。この本は、私たちがよく目にしたデザインやコンセプトからかけ離れたレコードジャケットを非常にたくさん収録しています。また、それに載っている、エイドリアン・ショーネシーによる文章にはかなり影響を受けましたね。
4:私たちが最初に読んだデザインに関する論文。私たちはデザインの教育を受ける前に、ブルース・マウの「成長の為の、完成することなきマニュフェスト」と「アイ・マガジン」を見つけ、そしてこの発見の両方に大きく影響を受けています。これらのテキストはおそらく、私たちのやり方の中で何に取り組んできたか、どうして取り組んできたか、ということに関して批判的に考えるための一助となったでしょう。そしてまたこの先、大学で学ぶことに対して頭を柔らかくし、批判的であるための一助となるでしょう。
5:たくさんのミュージックビデオ。特にミシェル・ゴンドリー、スパイク・ジョーンズ、マイク・ミルズに影響を受けました。
6:60〜70年代に活躍したスウェーデンのグラフィックデザイナーのジョン・メーリンに関する本。彼の作品は、他のグラフィックデザインよりもずっと挑戦的で、コンセプチュアルなものでした。ほぼ、モダンアートやコンセプチュアルアートの作品のようですが、コンテンポラリーアートよりずっと実際的な感じがします。本の「サンプラー」に掲載されている作品を思い起こさせますね。唯一の違いはこれが30年早くなされた、ということでしょう。

今回手掛けていただいたカバーとポスターについて教えてください。

カバーとポスターのコンセプトはとてもシンプルに展開するコラージュです。つまり、このカバーは毎日変わります。そして最後にそのコラージュがポスターになります。

これからのプランについて教えてください。

やりたいことはたくさんあります。もう少し多くの映像作品、おそらくはアニメですね。あと、もっとたくさんの写真、より多くのドローイング、多分マンガを作ると思いますが、そうできたら良いですね。最近はお店のショーウィンドウのデザインをいくつかしました。これからも同様にやれたらうれしいです。また、プロとしても、アマチュアとしても同時に成長するために、私たちが全く経験のない分野に進出できたら良いですね。要するに、あらゆることをもっとやってみたいのです。「メトロノミコン・オーディオ」のメンターであるヨルゲン・シシフス・スクルスタッドが私たちの本の中で『あらゆる方向に進め!』と言っているようにね。

仕事以外では何をするのが一番好きですか?

仕事をしているときとそうでないときを分けるのは難しいですね。「仕事」というのはみなさんがコンピューターの前にいなければならない、ということを意味するわけではありません。他のことをすることによっても、同様のことを学べます。森を散歩すること、美味しいご飯を食べること、眠ること、読書すること、音楽を聴くこと、祖父母に会いにいくこと、またはガールフレンドと映画をみることは他の全てのこと同様に啓発的なものなのです。これがインスピレーションの源泉なのです。インスパイアされる。これが仕事以外で私たちが最も好きなことなのです。

最後に読者にメッセージをお願いします!

人生を楽しみ、インスパイアされ、一生懸命働き、休みをとり、同時に頭を柔らかくし、批判的になって、やりたいように学び、そしてアマチュアイズムを賛美してください!
そして失敗はしばしば起こりうる最良のことです。それからみなさんは学ぶのです。


© 2006 Die Gestalten Verlag, Berlin

作品集「Yokoland」
仕様:176 ページ、21.5 x 27.5 cm、オールカラー版/ソフトカバー、英語
定価:35.00 EUR, 45.00 USD, 25.99 GBP
発売:2006年2月15日
ISBN:3-89955-082-X
出版:Die Gestalten Verlag
取扱:全国大型書店
問合せ:info@gestalten.jp

Yokoland
住所:Engstien 3A 2010, Strommen, Norway
aslak@yokoland.com
espen@yokoland.com
www.yokoland.com

Text: Yurie Hatano
Translation: Yuhei Kikuchi

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