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マルギット・ルカーチス&ペルジャン・ブロアセン

PEOPLEText: Ania Markham

今月から アムステルダム市立近代美術館で新しい展覧会「ネクスト・レベル:アート、ゲーム、リアリティ」が始まった。この展覧会はゲーム文化が芸術、映画、音楽の世界に及ぼした影響を解明しようとするもの。地元を代表してアムステルダムのアーティストカップル、マルギット・ルカーチス&ペルジャン・ブロアセンが参加している。

十年間も共同制作をしているこの二人は、オランダの有名校、リートフェルト・アカデミー在学中に知り合い恋に落ちた。中国で教えていた経験を元にした2003年製作のセミドキュメンタリーミュージカル映画「虹の橋」では互いに行き交う二人の愛情が見事に表現されている。大時代の愛と死といったテーマに対する中国の学生達の “素直な” 表現に触発されて、彼らは西洋の芸術が “失ってしまった抒情” を取り戻そうとしている。

恋人として二人で独創的に考えるのは易しくもありまた難しくもあるようだ。ペルジャンとマルギットはお互いにインスピレーションを与え合っている。彼らはまるで正反対な性格の持ち主なのに、同じようなもの(例えば模様、装飾、森、飛行機、鹿、城、ビスコンティ、食べ物、ザフランスキー、ワルツ、アーチ型天井など)が好きなのである。

彼らが育ってきた家庭環境がその個性を作りあげた。ペルジャンは家族の絆が強くて実直なオランダ人家庭に育ち、この世は「論理的で理にかなっている」と思っている。一方マルギットの方は全く異なっていて、幼い頃から戦争の現実と祖先が耐えてきた苦難、そしてそれがどう虚弱な現実の世界に影響しているかについて教えられてきた。

彼らの創作活動は写真、グラフィックアート、映像を多様にミックスしたものだ。作品のほとんどはイラストとデジタル加工の組み合わせである。コンピュータにより複雑で圧倒的なパターン構造を実現することができるようになった。彼らにとって私たちが住む世界は全てが装飾的であるという。『うっとりするような装飾や様式は私たちが世の中を実感する方法なんだ。人間の脳は常に調和やきちんとした形式を直感的に探し出す。そのところがおもしろい』

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