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オプトロニカ・フェスティバル 2005

HAPPENINGText: Phil Petty

オプトロニカ・フェスティバルは、イギリスのサウンド・ヴィジュアルアートの進展にとって、何らかの跡を残した。「サウス・バンク」という大きな流れの中にいる沢山の世界的なVJやエレクトロニックミュージシャン、ビデオアーティストを集めた初のイベントであった。活気に満ちた川沿いのエリアにナショナル・フィルム・シアター(NFT)とIMAXがある。これはイギリスで最大級のシネマスクリーンであり、両者ともイギリスのシネマ団体により運営されている。イギリスのフィルム団体は、マルチメディアプロダクション会社、アディクティブTVとのコラボレーション、シネフィールのキューションによりこのイベントを行った。

フェスティバルは水曜の夜、多くの人でにぎわうIMAXで幕を開けた。AVパフォーマーのメロウトロンズは、私達を、地球についての黙想を用いて変化をつけた、SFと1960年代のTVサンプルをミックスした陽気な世界へと連れて行ってくれた。会場は、プラッドとビデオアーティストのボブ・ジャロックによる「グリーン・ベイビー」の封切りとともに、次第に暗くなっていった。画像は大迫力の都会の景色から、コミックヒーローの「スーパー・バリオマン」が貧困救済のために立ち上がるメキシコのストリートのものへと変わっていった。私はスクリーンに夢中になった。とても大きなテクノのビートと明るくまぶしい抽象的なものの連続が、たとえ私の目や耳、そして脳に過激すぎるものだったとしても、それらは会場を並外れた空間へと導いてくれた。


Karl Bartos

木曜の夜は、ゆったりとしたパフォーマーの作品が、IMAXを飾った。コンピュータミュージックの草分けであるクラフトワークのメンバーのカール・バルトスが、エレクトロニックアーティストだけではなく、ジャンルにかかわりなく、全ての人々に感動を与える音楽と映像で、会場をわかせた。クラフトワークの「トランス・ユーロ・エクスプレス」や「ザ・モデル」は、素晴らしいサウンドシステムにより、鮮やかで、そしてリズミカルでさわやかな音楽であった。一方で、最近の作品である「エレクトロニック・エイプマン」は、バルトスが、コンピュータ世界で人生を切り開いていくという音楽で、バルトスが今もなお、シンプルでありながら印象的な作品をつくる才能があることを証明した。一方ヴィジュアルの方は、クラフトワークスタイルの明るいグラフィックシンボルの連続映像であった。これは、やや音楽の二の次に感じられた。しかし当たり前のことではあるが、それも音楽と合わせると、良いものであった。


Optronica Lounge

金曜は、IMAXとNFT共にパフォーマンスでフェスティバルは更に盛り上がっていった。オプトロニカラウンジは、ザ・サンチョ・プランの映像インスタレーションを映しだすスクリーンとプロジェクションにより、人々に居心地の良い空間を提供した。人々はビールを片手にショーみて、そこは最高のリラックス空間となった。


Optronica lounge installation

昨夜のパフォーマンスに感動して、私はカール・バルトスのレクチャー、「ザ・インターポジションズ・オブ・メディア」をみることにした。そこで彼は、マーシャル・マクルーハンの「メディアはメッセージである」という考えを追求し、異なるコミュニケーションの形が、どのようにして社会を発展させてきたかを述べていた。バトスの話を聞くのはおもしろかった。現代テクノロジーにとても近いということ、彼はその限界(特にテレビのありかた)を非難し、自分自身コンピュータを使うのを楽しめていないことを認め、自分が愛するのはシンプルな3分間のポップソングだと言い切った。

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