オプトロニカ・フェスティバル 2005

HAPPENINGText: Phil Petty

さて、IMAXの話にもどり、私はエクシーダによる短いパフォーマンスをみた。エクシーダの活動はテレビやフィルムの模倣から、頭がゴチャゴチャするようなコンピュータグラフィックスへとおよぶ。リバース・オブ・ア・ネイションは、ニューヨークのビデオアーティストで、オールラウンドの音の魔術師であるDJスプーキーによるものだ。彼は、アメリカの市民戦争とクー・クラックス・クランの繁栄に対抗している、1915年のサイレント・フィルム「悪名高い人種差別主義一家の物語」のあるシーンを高めるために、グラフィックを上塗りしている。同時に彼のサウンドトラックは陰気で、雰囲気に富む音楽をブレンドしている。初期の時代のブルースのモダンなビートと忘れられないエコー。


DJ Spooky

人種差別主義の「クランズマン」の英雄的行為をたたえる一方で、動物や野蛮の対象のような、解放された奴隷を表現しているフィルムのイメージ、そのループは、それをみた人々が、後になってもそのイメージを思い出す働きをしている。嫌な映像だが、これはアメリカ映画の誕生は人種差別主義と社会主義のステレオタイプを押し付ける強力なプロパガンダに基づいている、という事実を人々に訴えている。


Addictive TV

「サウス・バンク」の話をしよう。私はアディクティブTVのライブを見るために川の方へ急いだ。IMAXシアターを形作っている巨大なコンクリートキューブに映し出されたイメージは、テムズ川を渡った右側に見え、ウォータールーブリッジをこえた先に群がっている人だかりに、通行人は困って立ち止まってしまっていた。

シアターの野外テラスにのぼると、人々はデッキチェアに並んで座っていた。見上げると、様々なところで、ハウスとテクノのオーディオ・ヴィジュアル・ミックスや、エルビス・プレスリー、ローリング・ストーンズ、そして1960年代イギリスのポップ・シネマ・クラシック「イタリアン・ジョブ」にのせて、楽しそうに酔っ払って踊る姿が見えた。

一方、「アイ・オブ・ザ・パイロット」を見逃してしまった。そこで、アンコールの感じでショーがどうだったかを判断した。そして、人々はこのパフォーマンスに夢中になっていたのだと確信した。


Masakatsu Takagi

土曜の午後、NFTに戻ると、「ビッグ・イン・ジャパン」ではトモグラファーグラムーヴデビルロボッツのようなヴィジュアルアーティストの作品が披露されていた。抽象的なコンピュータグラフィックスは、沢山の機械的な光の中、力強い繰り返しのハウスビートにマッチしていた。これらは、クラブにあるヴィジュアルというより、映画のスクリーン外であるようだった。それと対照的に、次に始まった、デヴィッド・シルヴィアンとのコラボレートでも知られるマルチメディアアーティスト、高木正勝によるショートライブでは、エレクトロニックパフォーマンスの人間的側面を見せてくれた。高木氏の優しく古典的で、フォーク的なキーボードの構成は、シンプルなペインティングスタイルのイメージとともに演奏された。それらは、自分の子供時代や、遠くにある大切な場所の記憶を、人々に呼び起こさせるものであった。

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