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ニッポン・コネクション 2005

HAPPENINGText: Yurie Hatano

6年前のこと。ドイツのフランクフルトで7人の学生が、日本への熱意と共に動きだし「ニッポン・コネクション」を結成した。前年までに、そのフェスティバルは16,000人の観客を動員するまでに成長し、今や日本映画祭としてはヨーロッパ最大規模の運営だと言われている。

今年の、ニッポン・コネクションでは、4月13日から17日までの5日間に渡り約150本もの映像作品が上映された他、レクチャー、ライブ、展覧会、ワークショップなど他分野において、ニッポンの心意気が披露された。会場は至る所がサクラ色に染まり、学生を中心とした幅広い客層を迎えてその盛り上がりを見せた。

現在は、マリオン・クロムファス、ホルガー・ツィーグラー、ジェニー・フリュッゲを中心に登記社団として活動をしているニッポンコネクションであるが、運営に関わるほぼ全てのスタッフがボランティアであることは、まず特筆すべきこのフェスティバルの特徴である。

設営、受付け、販売、誘導、広報活動から、日本より訪れるゲストのホスピタリティに至るまで、相当数のボランティアスタッフが存在し、彼らはそれぞれの生活の合間を縫って数カ月間を準備等に費やしてきていた。実際に、会期中の彼らの熱意とエネルギーには感銘を受け、日本に対する積極的な好奇心やその想いが見て取れたものだ。

メイン会場である、ヨハン・ヴォルガンク・ゲーテ大学内のシュトゥディーレンデンハウスを初めとして、主に映像作品の上映は、フィルムムゼーウム(映画博物館)とフィルムシアター・ヴァレンティン(郊外の映画館)を合わせたフランクフルト内の計3ケ所で行われた。また、「ニッポンカルチャー」と称したセクションで行われる様々なイベントは、内容に応じてその3ケ所とは異なる別々の会場でも開催された。

つまり観客達は、分厚いプログラムをパラパラとめくりながら、見たい作品や参加したいイベントに目星を付け、地下鉄や車、あるいは自転車を駆使してそれぞれの会場をまわる事になるのだった。地下鉄の広告柱にも大きなニッポンコネクションのポスターが貼られていたり、ラジオからも情報が流れており、フランクフルト内の様々な場所でこのフェスティバルの空気が感じられる様子は、まさにこのフェスティバルの大きさと勢いを示していた。

フェスティバル初日、いよいよニッポン・コネクションの開幕である。開会式と、それに続く風間志織監督作品「世界の終わり」のプレミア上映に集まった人々は、入口に行列をつくり、場内を完全に埋め尽くした。主催メンバーの挨拶や日本からのゲスト紹介が行われると、この5日間の期待と興奮を交えて会場は一気に高揚を向かえる。

来場者は、その後メイン会場内のイベントスペースに移動し、DJハーロックとDJニッコウカサイによるオープニングラウンジを楽しんだ。バーカウンターでは、ドイツの名物アップルヴァイン(りんごのお酒)が人気のメニューでありながら、日本の出店ののぼりが上がっていたりと、なんともチグハグでユニークな組み合わせである。アイトラップのVJも会場を盛り上げ、舞踏パフォーマンスも行われるなど、盛り沢山な内容でニッポンコネクション初日の夜は更けていった。

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